
助産師が推奨する母乳育児に良い食事・食べ物・食べ方
2019.07.26

監修 浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。オールアバウトでも執筆中。
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今回は以前の記事「母乳が出ない!?助産師直伝~母乳量を増やす7つの方法~」の、母乳に良い食事の部分について、もっと詳しくご紹介します。
■母乳は血液から作られる

母乳は血液から作られますので、まず第一は血液の量を増やすことと、血液の質を良くすることが重要になってきます。
私は長年、助産師として育児相談や新生児訪問をしていますが、最近の母乳育児中のママさんは水分をあまり摂らない人が増えてきているような気がしてなりません。
「朝は何を食べましたか?」というと「菓子パン一つ」「ご飯と納豆」とおっしゃる方が多くなりました。
確かに赤ちゃんを産んで夜中も授乳やオムツ交換があったりと、なかなか食事の用意もままなりませんが、食事には水分が多い献立を意識しましょう。

朝食
・バナナと豆乳や野菜ジュースを飲む
・冷凍焼きおにぎりをお茶漬けにする
・冷凍ピラフに牛乳をかけてリゾットにする
・ロールパンとカップスープ、みかん、いちごなど果物を食べる
昼食
・鍋の残りに冷凍うどんやお肉をいれて鍋焼きうどんにする
・朝ご飯の残りで雑炊をつくる
・市販の具沢山のけんちんうどんを食べる
・レトルトスープにショートパスタを入れて、スープパスタを作る
夕食
・ポトフを食べる
・きりたんぽ、寄せ鍋、常夜鍋にする(ほうれん草と豚肉の水炊きなど)
・ロールキャベツをつくる
・シチューにする
■水分の摂り方を見直す

母乳の出が悪い人に「水分をとっていますか?」と質問をすると「ミネラルウォーターや麦茶を飲んでいます」と言います。
それもいけないことではないのですが、ノンカロリーのものだけでなく、栄養がある温かい飲み物のほうが胃腸に優しく母乳の出はよくなりますので意識してみるといいかもしれません。
胃腸と母乳の経絡はつながっていますので、胃腸が冷えると出にくくなるといわれているのはそのためです。
おすすめの飲み物
青汁や甘酒もおすすめですが、飲みづらい場合は手軽に飲めるハーブティーをおすすめします。
フェンネルやフェヌグリークなど、ヨーロッパや中国で伝統的に親しまれてきた母乳サポートハーブが入っているものを飲むと良いでしょう。
茶葉に農薬が付着しているとカップに広がってしまうため、オーガニックかどうかも確認しましょう。
■鉄分、たんぱく質、カルシウムを摂る

授乳期栄養所要量は2500キロカロリー、たんぱく質80g、鉄20mgが記されています。これはアスリート並の食事と同じなのです。育児労働と授乳はまさに運動選手並という事になります。
特に出産時に出血が多く、妊娠中から貧血の人は注意しなければなりません。
おすすめの食材
肉、レバー、牡蠣、あさり、ほうれん草や小松菜、卵や牛乳も摂りすぎなければアレルギーの心配は不要です。卵1個、牛乳も1~2杯は摂取しましょう。
食事で摂りにくい時はサプリなどもありますが、あまり栄養補助品に頼らずなるべく食事で摂取する習慣をつけると、離乳食作りにも役立つこと間違いありません。
また青菜を沢山食べると乳質がよくなり、さらっとした詰まりにくい母乳になります。
■滋養のあるものを食べる

最近は高齢出産が増えて、授乳期に関節の節々がコキコキ鳴ったり、肌の乾燥やぱさつきを訴える人が増えてきているようです。
母乳にはコラーゲンも含まれるので、授乳期は一時的ではありますが、更年期~老年期の様な身体になります。
コラーゲンが大切
韓国の産後ケアセンターでは、鶏のがらでとったスープにわかめやねぎが沢山入った「ワカメスープ」が毎食出されます。
中国では「サムゲタン」、日本でも昔は「鯉こく」といって鯉のスープのようなものを食べていました。
動物の関節や皮などに入っているコラーゲンはとても重要で、手羽元やカレイなどの煮付けやえんがわにある、にこごりなどにもコラーゲンが入っています。
動物の髄から出る滋養も大切な栄養源なので意識して摂るようにしましょう。
このように出産後の食事で、母乳育児も大きく変わってきます。自身のライフスタイルや好みを考えながらスムーズな母乳育児に取り組んでいきましょう。
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管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど

日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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