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【助産師監修】不妊治療に保険は適用されるの?費用や助成金について

2018.09.21

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

不妊治療に保険は適用されるの?

不妊治療は保険が適用される場合とされない場合があり、保険が適用されない場合は治療費が高額になることが多いようです。

保険が適用される場合

タイミング療法や排卵誘発法等、初期の一般不妊治療は保険が適用されます。

超音波検査も保険が適用されますが、超音波検査の場合、保険が適用できるのは1周期につき3回まで。4回目からは自費での検査となります。

保険が適用されない場合

ステップアップして体外受精などの高度不妊治療を受けることになると健康保険は全く適用されなくなるため、治療費は高額になります。

検査費や治療費は病院によって異なりますが、保険適用の範囲についても病院の裁量に任されている部分が大きいため、同じ治療内容でも保険がきくかきかないかは病院によって異なります。

病院選びの際には、できる限り事前に費用について調べておくのがベターです。

妊娠までにかかる平均治療費は?

不妊治療の妊娠までにかかる治療費は、期間や治療法などによって大きく異なります。

女性の為の健康生活ガイド「ジネコ」を運営する株式会社バズラボが行った調査結果によると、不妊治療の妊娠までの治療費の総額は平均140.6万円、治療期間は平均25ヶ月とされています。

ステップ別の治療費は?

<一般不妊治療>

①タイミング法
かかる費用:数千円~数万円(施設により異なる)

基礎体温表や尿検査、超音波検査などから排卵日、最も妊娠しやすい日を予測し、その前後に夫婦生活を持つことで妊娠を目指します。

保険適用範囲が広いため、以降のステップに比べ治療費は少なめです。

②人工授精
かかる費用:15,000円~30,000円程度(施設により異なる)

予測した排卵日に、男性の精液を選り分けて子宮に注入する治療です。この処置は保険が適用されず自己負担となることが多いです。

<高度不妊治療>

③体外受精・顕微授精
かかる費用:200,000円~800,000円程度(施設により異なる)

採取した精子と卵子を体外で受精させ、受精後に一定期間培養した胚を子宮内に戻す方法です。

体外受精は卵子に精子をふりかけて受精させ、顕微授精は顕微鏡下で一個の精子を卵子へ直接注入し受精させます。

以前は体外受精から顕微授精へとステップを分けていましたが、最近では同じタイミングで行われるようになってきました。

高度不妊治療は設備や技術に依存するため、病院によって費用に差があります。処置内容も高度であるため、費用が非常に高額となります。

負担を減らす制度や方法

助成金

不妊治療費は保険が適用されにくく高額になりがちです。そのため、国や自治体が行なっている特定不妊治療助成事業を利用して、助成金を受けることができます。

助成内容は、体外受精や顕微授精・男性不妊の手術1回につき、15万円までのお金が戻ってくるというものです。注意したいのが、助成対象が定められていること。

年齢制限(治療初日の妻の年齢が43歳未満であること)と所得制限(夫婦の所得合算が730万円未満)があり、40歳以上の場合は助成を受けられる上限回数も少なくなります。

また、自治体によってはより手厚い助成を行なっているところもありますので、各自治体に問い合わせてみるようにしてください。

医療費控除

医療費控除とは、世帯の医療費が年間10万円以上かかった場合、確定申告の際に税金の控除を受けられる制度です。

この場合の医療費とは、保険適用内の治療費だけでなく、適用外の治療費、通院のための交通費、薬局で買った薬代なども計上できます。領収書は確定申告まですべて保管しておきましょう。

病院選びは慎重に

不妊治療は長期にわたることも多く、自分が納得できる病院を選ぶことが大切です。不妊治療費は病院によって差が大きいため、事前に可能な限り調べて比較検討する必要があります。

また、止むを得ず転院を考えなければならない場合もあるでしょう。しかし、何度も転院を繰り返すとそのたびに初診料がかかってしまいます。費用を抑えるためにも、病院選びは慎重にしましょう。


いかがでしたでしょうか。不妊治療の多くは治療費が高額になりがちですが、負担を減らす制度や方法があるのでぜひ活用してみてください。

あらかじめ大まかな費用や助成内容を知っておくことで、費用面での心配が軽くなります。できるだけ不安を取り除き、安心して治療にのぞむようにしましょう。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
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