運動・生活

二人目不妊の原因と対策

2018.02.21

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

二人目不妊でお悩みの方には、「一人目は自然にできたので不妊とは思わなかったのですが、今回3年以上空いてしまったので不妊治療で体外受精をしました。」という方の声をよく聞きます。

最近では、二人目がなかなか授からずお悩みの方も多いようです。

そんな二人目不妊の原因と対策についてお話ししたいと思います。


二人目不妊の原因

夫婦

その1 高齢出産

35歳以上が高齢出産といわれていますが、厚生労働省の調べ(2016年)によると日本人女性の二人目出産時の平均年齢は32.6歳です。

女性の社会進出増加に伴い、初婚年齢や初産・二人目出産の年齢も上がる傾向にある昨今、不妊・二人目不妊のリスクは多くの女性が抱える社会問題になってきています。

日本は世界で最も遅く子どもを産み始める国の一つになっています。原因として加齢に伴う卵巣機能の低下が注目されてきましたが、最近では卵子の変化、つまり卵子の老化にもフォーカスが当てられ始めています。

子宮

その2 卵子の老化

「卵子の老化」とはいったいどういうことでしょうか。
胎児の時から女性の体内でつくられる卵子の数は約700万個といわれ、生まれ持った卵子の数がそれ以上増えることはありません。

「卵子の老化」とは、持ち主の年齢とともに卵子も年齢を重ね、卵子の質と数が低下していくことを指します。

また、先述したように卵巣の機能低下も年齢とともに進んでいくのが現状です。加齢が進むと、不妊治療の際に排卵誘発剤に反応しづらくなり、発育する卵胞の数が減少していきます。

二人目不妊対策 その1.卵子の質を高める

カリウム

食生活を見直しましょう

人間にとって加齢が自然な現象であるように、卵子の老化も自然な現象といえます。時間の経過に逆らうことはできませんが、体内の卵子が元気になるように、その質を高める心がけはあります。

忙しい毎日で気持ちばかり焦る日が少しでも減るように、日常生活で始められる卵子の質を高める方法をご紹介します。

カリウムを取り入れてみましょう

卵子にはミトコンドリアが多く含まれます。このミトコンドリアは受精や排卵にとってとても重要な役割を果たすといわれています。

カリウムはミトコンドリアの活性化に役立ちます。カリウムが多く含まれる食材を積極的に取りましょう。

▼カリウムが多く含まれる食材
バナナ・メロン・はっさく・西洋かぼちゃ・グリーンアスパラ・ブロッコリー・里芋・ほうれん草等。


▼カリウムを使ったレシピ例
【かぼちゃとブロッコリーの豆乳グラタン(2~3人分)】
かぼちゃグラタン

  1. 一口大のかぼちゃ(8分の1個)を柔らかめに、同様のブロッコリー(2分の1株)は硬めに加熱します。
  2. みじんぎりにした玉ねぎ1個、1cm大に切ったベーコン(1パック)をオリーブオイルでよく炒めます。
  3. 2にバター30gと薄力粉大さじ2を加え、豆乳300ccを少しずつ加えます。顆粒コンソメ小さじ1と粗びき胡椒を適量加えます。
  4. 3に1を加え、最後にゆで卵(3個)を8等分にして黄身が崩れないように混ぜ込みます。
  5. 油を塗ったグラタン皿に入れ、細くマヨネーズを掛けたらオーブンで焼き、焼き色が付いたら出来上がり

二人目不妊対策 その2.婦人科健診の受診

病院

子宮疾患の可能性もあるので、婦人科健診を受診しましょう

働く女性が増えている昨今、二人目を望んでいても育児や仕事で忙しくて、なかなか婦人科健診や不妊治療にすぐに取り組める余裕がない方も多いのではないでしょうか。

しかし、二人目がなかなか授からない原因には、一人目出産時に癒着胎盤があったり、実は子宮筋腫や卵巣嚢腫があったりということがあり得ます。

今の子宮や卵巣機能が妊娠に適しているのか確かめることは、二人目を授かりたい時には不可欠ともいえるでしょう。

しかしながら、頭では分かっていても育児や仕事でなかなかまとまった時間が取れない!という声が多いのも現実です。

そんなママ達に朗報があります!最近はクリニックによっては、「休日・平日夜間子宮がん検診」を行っていたり、県の取り組みで「休日レディースがん検診(子宮頸がん・乳癌)」を実施していたりします。

お住まいの地域の県や自治体、クリニックを探して健診を受けることをオススメします。まずは今の自分の体の状態を知ることから始めましょう。

男性の不妊対策

男性

精子の老化

男性の場合は生殖機能に女性ほど加齢による変化はないとされていました。しかし、最近では卵子と同じように一部の男性は35歳を境に精子の力が落ちることがわかってきています。

高齢男性の精子は、若い男性の精子に比べて運動率が悪く量も少ないともいわれています。しかし、女性の卵子とは違い精子の能力は年齢とともにゆるやかに衰える程度です。

このような精子も妊娠力はありますが、受精するために必要な時間が長くなったり、受精卵の細胞分裂の回数がかなり多くなったりします。

精子老化の予防策

喫煙や不規則な生活は身体への負担を増やします。このような身体へのストレスは、精子にも良くありません。精子は熱に弱いので、熱いお風呂への長風呂・サウナの多用もあまり良くないでしょう。

男性は生活習慣を見直すとともに、精巣を温めすぎないように気をつけてみましょう。

夫婦で取り組む不妊対策

家族

ストレスは二人で分かち合いましょう

夫婦一緒に不妊治療に取り組むことは、とても基本的で大切なことです。不妊治療に向き合うことは男女ともに、心も身体もとても力を使うことです。夫婦で手をとりあって、その苦労を分かち合えるようにしましょう。

精油を用いた芳香浴で、部屋の中を二人がよりリラックスできる空間にするのもオススメです。精油の中でも、イランイランの香りは性的興奮を促す働きをもつといわれ、二人が愛を確かめ合う手助けをしてくれます。

寝室に温かい光を放つアロマライトを置いてみたり、クッションやベッドの枕元に精油を含ませたコットンを忍ばせたりするのもよいでしょう。
芳香浴
合わせて「妊娠した女性が飲んでいた!妊活におすすめの飲み物は?」や、「助産師が推奨する妊娠したい方に良い食事・食べ物・食べ方」も合わせてご参照ください。


一人目を妊娠・出産していると、基本的に二人目を妊娠する可能性は高いのですが、自分の体の状態を知るためにもまずは不妊症検査は必要です。

基本的に基礎体温・タイミング法から開始しますが、上の子の育児ストレスがある人・復職して働いている人などは、ステップアップがしにくい場合もあります。

婦人科、不妊クリニックの先生や地域の助産師に気軽に相談して、家族計画を立てていきましょう。

関連する記事:【助産師監修】妊娠した女性が飲んでいた!妊活におすすめの飲み物は?

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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