妊娠・出産

助産師が教える!意外と知らない母乳育児の準備方法

2019.06.23

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

多くの妊婦さんが、「母乳は何もしなくても勝手に出るもの」と考えています。しかし実際は、全く問題なく母乳が出るのは妊婦さん全体の約30%です。

多くのママが出産後、母乳が出ないことに悩んでいます。では、母乳育児に向けてママが妊娠中から準備できることは何でしょうか。

今回は、妊娠中からできる”母乳育児に向けたおっぱいケア”についてご説明します。

乳房に優しいブラジャーを

乳房600

妊娠すると思いのほか肌がデリケートになり、乳輪周辺がかゆくなったりします。レースや化学繊維の入った素材とはさよならして、スポーツブラなどの綿100%でゆったりしたものを選びましょう。

ソフトワイヤーでも乳房の血流を止めてしまう恐れがあるので、ノンワイヤーのものをオススメします。

妊娠中に3カップは大きくなるので、妊娠後期になったら前開きで授乳用のものを選ぶと装着も楽になります。

湯船に入ったら乳房マッサージ

湯船600

湯船にはいると、乳房は大胸筋から浮き上がり基底部がはがれて血液の循環がよくなります。

この時が母乳マッサージをやるチャンス!横方向、斜め、上方にまんべんなく乳房を寄せたり持ち上げたりして母乳の分泌促進をはかりましょう。

夏場でも思いのほか冷房などで冷えていますし、産後は1ヶ月検診まで湯船に入りにくいので、ゆっくりお風呂に入れるのは妊娠中だけだったりします。好きな入浴剤などを入れてリラックスしましょう。

乳頭マッサージをしましょう。

乳頭マッサージ600
赤ちゃんの吸い傷、水疱や裂傷予防のために乳頭をトレーニングしておきましょう。新生児はシェイクが一気飲みできるぐらいの吸引力を持っています。

それを1日10回ぐらいは吸わせなければいけません。乳頭のケアをしないと入院中から裂傷が出来てしまい、楽しい母乳育児が憂鬱になってしまいます。

可能であれば28週から乳頭マッサージを始めましょう。お腹が張りやすい人や切迫早産と診断された人は臨月に入ったら行いましょう。

カレンデュラオイル、ワセリン、馬油、ベビーオイルやべビークリームなどを塗布して皮膚を柔らかくしてからマッサージするとよいでしょう。

詳しくは「乳頭マッサージの方法」で解説しています。

扁平、陥没乳頭の人は特別ケアを

乳頭吸引器600

扁平乳頭や陥没乳頭の人は、指で行う乳頭マッサージだと、思うようにつまめず大変になってきますね。こういう時は市販で乳頭吸引器という、乳頭を吸い出すものがあります。

乳頭にかぶせて陰圧で吸い出すものなのですが、根気よくやると乳頭が長くなり吸いやすい乳頭になります。お腹が張りやすいときや切迫早産と診断された人は臨月に入ってから行いましょう。

またメデラ社から出ているニップルフォーマーといい、ブラジャーの中に装着するものもあります。

両方使ったほうが効果はありますが、自分で判断しにくい時は妊婦健診や母親学級などで助産師さんに乳房や乳頭の状態を見てもらい、アドバイスをもらうとよいでしょう。

臨月に入ったら和食中心に

和食600

母乳は血液からできているので、良い母乳を作るためには血液の質を高めておくことが大切です。臨月に入ると外食が多くなる方も多いでしょう。

臨月の食生活は初乳の分泌にも影響します。洋食ばかりだと母乳のコレステロールも上がりやすくドロドロとした母乳になります。

飲みやすいサラサラとした母乳にするために、和食中心でホウレンソウや小松菜、春菊などの青菜を沢山食べるようにしましょう。鉄分も補給できて血液の質がよくなります。

水分を多く摂る

ハーブティー

産後は母乳をよく出すために水分を1日3L前後飲んでください。妊娠中からハーブティーやミネラルウォーター、スープ、野菜ジュースなど色々な水分を飲む習慣をつけましょう。

喉が乾かなくてもマイボトルなどでちょこちょこ意識して水分を摂れるようになると血液の量も増えて母乳の量も増えていきます。

妊娠8ヶ月目以降は、出産準備に良いといわれているラズベリーリーフティーがオススメです。産前だけでなく、産後の体の戻りや母乳育児の準備にも役立ってくれます。

産後すぐから母乳が満足に出ない人は、母乳育児ママのうち70%もいらっしゃいます。ぜひ産前から母乳育児に向けた準備を整えておいてほしいと願っています。

第一子で母乳が出づらかったママは、出産前から母乳に良いハーブティーを用意し、入院中から飲み始めることをオススメします。

関連する記事
【助産師監修】母乳はいつから出る?妊娠中からやっておくべきおっぱいケア方法

あなたの授乳の悩み、話してみませんか

先輩ママのほっとLINE

スタッフは全員ママ
気軽にLINEしてくださいね

先輩ママのほっとLINE先輩ママのほっとLINE

※LINE相談の対応時間は平日10:00~16:00

INSTAGRAM 授乳や子育てに関する情報満載! amoma_naturalcare

フォローする
This error message is only visible to WordPress admins
There has been a problem with your Instagram Feed.

カテゴリーランキング

AMOMAコラムについて

妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。

AMOMAのパートナー

助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士
にしだかなこ
■資格・免許
管理栄養士・幼児食アドバイザー
■専門分野
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
心理カウンセラー
佐々木明子
■資格・免許
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
■専門分野
心理カウンセラー
産婦人科医
牛丸敬祥
■資格・免許
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
■専門分野
産婦人科医

リクエスト募集

AMOMAではエキスパートに聞きたい授乳期の不安やお悩みを募集しています。頂いたリクエストについてラジオ、コラム、動画でお届けします!

リクエストする

その他のお問い合わせはこちらから

MAILメールで問い合わせ
TOP
閉じるボタン
バナー画像