母乳育児Q&A

【助産師監修】乳幼児突然死症候群(SIDS)について

2018.12.05

乳幼児突然死症候群(SIDS)という病気を知っていますか?いつもどおり元気だった赤ちゃんが、ある日突然亡くなってしまう、大変いたたまれない病気です。

今回はSIDSの原因や予防するにはどうしたらよいのかをご紹介します。

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?

それまで何の問題もなくすくすく育っていた赤ちゃんが、すやすや眠っていると思ったら、突然呼吸が止まり亡くなってしまう。

これが乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)というおそろしい病気です。

SIDSの発症件数は年々減ってきてはいますが、平成29年度には77名の赤ちゃんがSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位です。
厚生労働省 乳幼児突然死症候群(SIDS)についてより

欧米では死亡原因の第1位だそうです。

SIDSはほとんどの場合、睡眠中に起こり、1歳未満の特に2〜6ヶ月の赤ちゃんに起こることが多いとされています。また、12月以降の冬期に発症しやすい傾向があるようです。

このことから厚生労働省は、毎年11月をSIDSの対策強化月間と定め、平成11年度より啓発活動を実施しています。SIDSに対する社会的関心を高め、発症率を低くするポイント等を広めています。

SIDSは近年特に注目されている病気ですが、現代病というわけではなく、古くから存在する病気といわれています。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因は?

近年、SIDSを防ぐために研究がすすめられていますが、その原因は今だ特定されていません。

なんの予兆もなく既往歴に関係なく起こっていること、窒息死などの事故とは異なり、病気であることは明確になっています。

保護者や家族の不注意が引き起こすわけでないこと、また虐待などともはっきりと区別する必要があります。

原因が特定されていないSIDSですが、研究により、発症に何らかの関係があると思われる事柄があることがわかってきています。後述しますので見ていきましょう。

乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防するには?

あおむけで寝かせる


SIDSは睡眠中、うつぶせ・あおむけのどちらの姿勢でも発症していますが、特にうつぶせの姿勢で寝ているときに発症するケースが多いことが分かっています。

病院などからうつぶせを勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるよう、できるだけあおむけで寝かせるようにしましょう。

これはSIDSだけでなく、窒息事故を防ぐためにもなります。

できるだけ母乳で育てる


母乳育児が色々な面で良いことは、様々な研究から明らかになっていますが、母乳で育てられている赤ちゃんの方が、SIDSの発症率が低いということも分かっています。

母乳には、赤ちゃんが健康に成長していくために必要な栄養素がたっぷりと含まれているので、赤ちゃんにとって最高の食事といえます。

人工乳(ミルク)がSIDSを引き起こすわけではありませんが、母乳の出が少ないママも、できるだけ母乳育児に挑戦することをおすすめします。

たばこをやめる


たばこはSIDSの発症と大きく関係していることが分かってきています。両親が喫煙する場合、しない場合と比べて、SIDSの発症率が高くなります。

妊娠中にたばこを吸うと、たばこに含まれるニコチンやタールなどの有害物質が胎盤を通して赤ちゃんに伝わってしまいます。

また、妊婦さん自身がたばこを吸わなくても、まわりでたばこを吸う人がいれば、より有害な副流煙を吸ってしまい、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼします。

最近では、三次喫煙という概念が認識され始めています。喫煙者のいる部屋の床や家具にも有害物質が付着し、時間がたつと揮発(きはつ)し、空気を汚してしまうようです。

赤ちゃんを守るために、妊娠中からママはもちろん、パパや周りの人にも協力してもらい、たばこの影響が少ない生活を送りたいですね。

赤ちゃんを温めすぎない


赤ちゃんの温めすぎや、着せすぎもSIDSの要因の一つといわれています。

赤ちゃんにたくさん服を着せたり、厚手の布団をかけるよりも、部屋全体を暖めるようにしましょう。ママや赤ちゃんが快適に過ごせる温度に調整してくださいね。

なるべく赤ちゃんを一人にしない


赤ちゃんがよく眠っているからといって、長時間赤ちゃんを一人にしておくことはSIDSを防ぐ以外にも好ましくありません。赤ちゃんを一人にして外出することも避けましょう。

また、できるだけ同じ部屋で寝てあげましょう。ソファーで寝るとSIDSの発症率が高いことが分かっているため、ソファーで一緒に寝るのはやめましょう。

赤ちゃんの寝具は硬めのマットなど専用のものがベターです。


いかがでしたでしょうか。SIDSは、原因が特定されていないおそろしい病気であることがよく分かったと思います。

かわいい赤ちゃんをSIDSから守るために、家族みんなでできることを心がけていきたいですね。

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浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

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