母乳育児Q&A

【助産師監修】授乳中の喫煙の影響~タバコから赤ちゃんを守るために~

2018.09.19

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

「わかっているのに、やめられない…」。妊娠中禁煙をがんばっていても、出産後、またタバコを吸い始めてしまう人もいるかもしれません。

授乳中、ついタバコが吸いたくなってしまうママやパパは、赤ちゃんのために読んでもらえたらと思います。

タバコが赤ちゃんに与える影響は?

産院などでママ自身はもちろん、パパや周りの家族も禁煙を勧められた経験がある人は多いのではないでしょうか。

それもそのはず、タバコが赤ちゃんに与える影響は、とても危険で深刻なことばかりなのです。

SIDS(乳幼児突然死症候群)

すくすくと元気に成長していた赤ちゃんが、ある日突然死亡してしまう、今なおはっきりとした原因が特定されていない病気です。

しかし近年の厚生省の調査では、父母共に喫煙する家庭は、非喫煙家庭に比べて4.7倍発症リスクが高くなることがわかっています。

急性ニコチン中毒

めまい、発汗、吐き気、下痢、腹痛、不眠などの不快症状があらわれます。

まだ話せない赤ちゃんは、不機嫌になってぐずりだすことも。重度の場合は、命の危険に直結する症状が出ることもあります。

発育への悪影響

身長があまり伸びなくなったり、知能の低下、注意欠如/多動性障害(ADHD)の発症リスクの増加などの影響があるといわれています。

上記の他にも、中耳炎、ぜんそくや呼吸器系疾患のリスクの増加、アレルギーの悪化など、細胞レベルで癌化しやすくなり、赤ちゃんの将来の健康まで奪ってしまう危険がたくさんあるのです。

母乳とタバコの関係

授乳期間中にタバコを吸うことは、母乳にどのような影響があるのでしょうか。

母乳量が減る

タバコに含まれるニコチンやタールなどの影響によって、喫煙すると血液がドロドロになり、血流が悪くなります。

母乳は血液からできているので、血の巡りが滞ることで、母乳の分泌量が少なくなってしまうのです。

母乳にニコチンが混じる

タバコを吸うことで、母乳にニコチンが混じります。よって、不機嫌、不眠、嘔吐、下痢などの急性ニコチン中毒の症状があらわれることがあります。

ママが吸わなくても…怖い受動喫煙の害

ママがタバコを吸わなくても、家族や身近な人で喫煙者がいる場合は注意が必要です。

喫煙者はフィルターを通してタバコの煙を吸いますが、周りの人はフィルターを通さず副流煙をダイレクトに吸うことになってしまいます。

ニコチンは肺からだけでなく皮膚や粘膜からも吸収されるため、授乳中のママが受動喫煙してしまうと血液、つまり母乳の中のニコチン濃度が高くなってしまうのです。

タバコの煙がついた繊維からも、触れることでニコチンを吸収することになってしまいます。そのため、寝具のある寝室などで喫煙することは、受動喫煙の原因になります。

赤ちゃんを守るために禁煙を

以上のように、タバコは赤ちゃんにとっても吸う人にとっても、危険な影響がたくさんあります。

ママはもちろん、パパや周りの人たちも、赤ちゃんのために頑張って禁煙を始めましょう。

近年は禁煙外来を行っている病院もたくさんあります。授乳中である旨を伝えて、赤ちゃんが影響を受けない禁煙方法を指示してもらうようにしてください。

育児の疲れと禁煙からストレスを感じてしまう時は、アロマやハーブティーもオススメです。

どうしても吸いたくなってしまったら…

タバコを吸った後のニコチン濃度は、吸った後3時間〜5時間ほどでだいぶ少なくなるようです。

ニコチンがなくなるわけではありませんが、どうしても禁煙ができないママは、喫煙後3〜5時間は授乳をしないようにしてください。

また、受動喫煙を防ぐため、吸う時は必ず家の外で。家族の人にも協力してもらうようにしましょう。


いかがでしたでしょうか。タバコは「百害あって一利なし」と言われることもあり、近年は喫煙できる場所も昔に比べかなり減少しています。

タバコの恐ろしい害を知ると、その理由がよくわかりますよね。

また、小さな赤ちゃんにとって、その影響はとても大きいです。周りの人にも協力してもらって、赤ちゃんをニコチンから守ることが大切です。

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妊娠、出産前後はママにとっては初めてのことばかり。「これってあってるのかな?」 「大丈夫かな?」と不安や疑問に思った時につい手に取りたくなるような情報をお届けしたいと考えています。そのため多くの情報は助産師をはじめ専門家の方々に監修。テーマから読めるようになっていますので、ぜひ気になるものから読んでみてください。あなたの不安や疑問が解決できるお手伝いになれば嬉しいです。

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助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
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管理栄養士・幼児食アドバイザー
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メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
心理カウンセラー
佐々木明子
■資格・免許
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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心理カウンセラー
産婦人科医
牛丸敬祥
■資格・免許
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
■専門分野
産婦人科医

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