食べ物・飲み物

【助産師監修】妊娠中にコーヒーはだめ?カフェインの赤ちゃんへの影響

2015.10.25

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

コーヒー好きの妊婦さんにとっては気になるカフェイン。妊娠中はコーヒーなどカフェインの入った飲み物を控えた方がいいというのは広く知られていますが、その理由はご存知でしょうか?

妊婦さん・赤ちゃんへの影響と、妊娠中でも大丈夫なカフェインの摂取方法についてお話しします。

コーヒーなどに含まれるカフェインについて

妊娠中カフェインカフェインってなに?

●カフェインってそもそもなに?

カフェインとはアルカロイドという化合物で、覚醒作用や解熱鎮痛作用があるため、市販の頭痛薬などにも含まれている成分です。カフェインの作用には、眠気や疲労の除去、血管の拡張、胃酸分泌の促進、利尿作用などがあり、大量に飲むと不眠や興奮、頻脈などがおこることもあります。

●カフェインが含まれるもの

カフェインが含まれるもの

以下に、カフェインが含まれる物についてまとめました。飲み物を選ぶ際の参考にしてみてください。

<100mlあたりに含まれるカフェイン量>
レギュラーコーヒー:60mg
インスタントコーヒー:57mg
紅茶:30mg
コーラ飲料:36mg~46mg
ココア:9mg
煎茶、ウーロン茶:20mg
チョコレート:61mg/100gあたり

コーヒーだけでなくココアやコーラ、チョコレートなどにもカフェインが含まれているなんて、驚きですね。

妊婦さん・赤ちゃんへの影響

大人にとっては眠気覚ましや疲労回復に役立つカフェイン飲料ですが、妊婦さんや赤ちゃんにとってカフェインはあまりよいものではありません。カフェインを控えた方がいい理由について知っておきましょう。

●流産、死産率が上がる?

妊娠中カフェイン流産、死産率

カフェインを摂る量が1日150mg未満の妊婦さんと300mg以上摂る妊婦さんとを比較すると、300mg以上摂る方が流産のリスクが2倍になり、コーヒーを1日8杯以上飲む妊婦さんでは死産のリスクが高まるという報告があります。

カフェインをたくさん飲むと胎盤への血流量が減少するためと考えられていますが、今のところ胎児の発育との関連性については結論が出ていません。ただコーヒーとタバコのどちらも習慣のある妊婦さんの場合は、明らかに早産や胎児の発育の遅れが見られています。

●カフェインが体内にたまる場合も

妊娠中カフェイン体内にたまる

カフェインは胎盤を通って赤ちゃんにも移行します。大人はカフェインを肝臓でうまく処理できますが、赤ちゃんは肝臓が未熟なためカフェインが排泄されるのに時間がかかってしまいます。

また妊婦自身のカフェインの処理能力に個人差があることや、妊娠末期は代謝機能が1/3に減少するため、処理に時間がかかるようになります。そうすると赤ちゃんにカフェインが蓄積し負担がかかることになってしまいます。

カフェインは母乳にも移行するため、産後授乳中のカフェインで赤ちゃんがイライラして落ち着きがないなどの影響が出ることがあります。乳幼児突然死症候群の発生率も高くなるといわれています。

●胃もたれの原因になる

胃もたれ

妊娠中期~後期になりお腹が大きくなってくると胃液が逆流し、胃もたれをおこす妊婦さんが多いです。カフェインは胃液の分泌を活発にするため、妊婦さんにとっては胃液がさらに逆流し、胃もたれが強くなることがあります。

●カルシウムが排出される

カルシウム

カフェインをたくさん飲むと尿中にカルシウム排出が促されてしまいます。妊娠中は赤ちゃんの骨や歯を作るためにも、たくさんのカルシウムが必要になります。足りなくなると母体から補うため、産後は歯や骨が弱くなってしまうことがあります。

●カフェイン以外の影響もある

カフェイン以外の影響

コーヒーや緑茶、紅茶などはカフェイン以外にもタンニンという物質が含まれています。タンニンは鉄分の吸収を阻害するため、貧血になりやすい妊婦さんにとっては注意が必要です。

妊娠中でも大丈夫なカフェインの摂取方法は?

妊娠中のカフェインについて

カフェインは良くないとはいえ、実際にカフェインを全く摂らないというのは難しいもの。また、どうしても飲みたくなってしまうこともあると思います。

以下に、妊娠中でも大丈夫だろうと言われているカフェインの摂取量や、飲む時の注意点をお伝えします。

コーヒーは1日2杯までに

カフェインの影響は個人差があり、日本では妊婦さんへのカフェイン摂取量を定めていませんが、世界保健機構ではカフェインを1日300mgまで、英国では1日200mgまでに抑えるよう決められています。

妊娠中のコーヒーは1日2杯(1杯150ml/カフェイン量90mgとして計算)程度にとどめましょう。またコーヒーだけでなく、チョコレートやココアなどカフェインが含まれるものを一日に同時に摂るのは控えましょう。

鉄剤や食事とは30分ずらす

コーヒーや紅茶などに含まれるタンニンは鉄分の吸収を阻害してしまいます。そのため、コーヒーや紅茶を飲むときは、食事や鉄剤の服用とは30分以上ずらすようにします。

胃もたれがあるときは控える

妊娠30週頃から臨月に入る頃までは、大きなお腹が胃を圧迫して胃酸が逆流しやすいです。胃もたれがあるときはコーヒーなどカフェインを含む飲み物は控えましょう。

さいごに

一定量を超えなければ大丈夫だと言われるカフェインですが、やはり避けておいたほうが安心なのも確か。できれば、ティータイムはノンカフェインの飲み物に置き換えてみましょう。カフェインレスコーヒーやハーブティーなど、ノンカフェインの飲み物はたくさんあります。

妊婦さんに人気のたんぽぽコーヒーには、タラクサシン、イヌリン、コリン、ルテインといった成分が含まれており、とても優れた働きをしてくれます。またルイボスティーは鉄分の吸収を妨げるタンニンの量が緑茶の1/3と少なく、貧血になりやすい妊娠期の女性や、体をみずみずしく保つフルーツ酸・フラボノイドなどのポリフェノールを摂りたい方におすすめです。

せっかく飲むなら栄養豊富で、妊婦さんにも赤ちゃんにも優しい飲み物を選ぶと良いでしょう。

最初は物足りなさを感じるかも知れませんが、慣れてくると香りや味を楽しめて、リラックスを促してくれます。産後の授乳のことも考えて妊娠中から少しずつコーヒーや紅茶からカフェインを含まない飲み物へと移行させていくと良いですね。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
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母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
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