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【助産師監修】妊娠中の煙草、喫煙の影響は?やめられない時の対処法

2018.08.03

妊娠中に煙草を吸うことで赤ちゃんによくない影響があることは知られていますが、実際にどんな影響があるかご存知でしょうか?

煙草を吸う妊婦さんのほとんどは赤ちゃんのために禁煙したいと考えていますが、なかなかやめられない現状もあるようです。今回は妊娠中の煙草の影響と対処法についてお話しします。

■煙草の中身

煙草の成分

煙草には、4000種類の化学物質が含まれていて、その内の200種以上が有害物質です。また、発がん物質も50種以上含まれているといわれています。

【主な有害物質の成分】

ニコチン(殺虫剤などの成分)
ヒ素(毒薬の一つ)
シアン化水素(殺虫剤、毒ガスの成分)
カドミウム(イタイイタイ病の原因物質)
ベンゼン(ガソリンの成分)
ホルムアルデヒド(防腐剤の一つ)
トルエン(シンナーの成分)
フェノール(消毒殺虫剤の成分)
アンモニア(神経毒性がある物質) 

など

【主な発がん物質】
タール、ベンゾビレン、カドミウム、ニッケル、ベンゼン など

煙草の依存性

煙草には、有害物質や発がん物質による体への影響だけでなく、その依存性が指摘されています。煙草の中に含まれるニコチンが、強い身体的依存と心理的依存を生み出してしまうのです。

身体的依存とは、体の中のニコチン濃度が下がることで、イライラしたり眠れなくなったりする症状です。

心理的依存とは、お酒の席での一服、食後の一服など煙草が習慣化することで、その習慣がないと落ち着かなくなることです。

煙草は、このように吸い続ければ吸い続けるほど、止められなくなり、有害物質や発がん物質を毎日、何本も体の中に取り入れてしまう結果になってしまうのです。

■妊娠中の煙草の影響

煙草は体が大きく、成熟している大人でも大きな影響があります。体が小さく、まだ未成熟な胎児や赤ちゃん、子どもにとってはさらに強い影響があるといえます。

発育や機能の発達に影響する

胎児の発育や機能の発達に影響を与えることを、胎児毒性といいます。強い薬などでも指摘される影響ですが、煙草に含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、この胎児毒性があることがわかっています。

受動喫煙の場合も、同じように影響があるといわれているので注意が必要です。

胎盤の血管が収縮する

煙草の中に含まれる有害物質は、血管を収縮させる作用があります。そのため、胎盤への血流が少なくなり、赤ちゃんへ酸素が行かなくなります。

その結果、流産や早産、低出生体重、早すぎる破水、胎盤の位置の異常、胎盤早期剥離などの確率が高くなります。

煙草の本数が多ければ多いほどそのリスクは高くなりますが、妊娠中に禁煙できれば、その効果もかなり期待できるといわれています。

とくに妊娠早期に禁煙できれば、ほぼ煙草の影響はありません。そのため、できるだけ早い禁煙が必要なのです。

赤ちゃんの体への影響

妊娠中の喫煙により、赤ちゃんの奇形の発生率が増加するといわれています。また、妊娠中に1日10本以上吸う場合、生後の神経発達にも影響することがわかっています。

生まれてからも影響する

妊娠中だけでなく、煙草は赤ちゃんが生まれてからも悪い影響を与えます。赤ちゃんが受動喫煙することにより、乳幼児突然死症候群は約4.7倍に、喘息や肺炎、慢性呼吸器疾患は1.4倍程度になるといわれています。

■妊娠中の煙草の対策

なぜやめられないかを知る

なぜたばこを吸うのか、吸いたくなるのかを自分自身で知ることが大切です。

ニコチン濃度が下がってイライラするニコチン依存症なのか、ストレスで吸いたくなるのか、習慣化しているのかなど、その原因を知ってきちんと対策を立てることが第一歩です。

いつ煙草を吸いたくなるかを知る

原因がわかったら、今度はいつ煙草を吸いたくなるのか、その行動パターンを知ります。朝起きたら吸いたくなる、イライラすると吸いたくなる、食後に吸いたくなるなどです。

自分の行動パターンを把握して、煙草が吸いたくなったら違う行動を取るようにします。

◆朝起きたら吸いたくなる→ハーブティーを飲んで一息つく、朝ごはんを作る
◆イライラしたら吸いたくなる→鏡をみて気持ちを落ち着かせる、ガムを噛む
◆食後に吸いたくなる→すぐに歯磨きをする

ニコチンは依存性がありますが、その気持ちは長続きしません。そのため、一度吸いたい気持ちを乗り越えられると、強い欲求は薄れていきます。

禁煙した初日は辛いですが、初日を乗り越えれば楽になるといわれています。

■禁煙はみんなのために

妊娠するということは、本当に奇跡です。ママを選んできてくれた赤ちゃんが、もし自分の煙草が原因で、ならなくてよかったはずの病気や障害を抱えてしまったら、後悔をしてもしきれませんよね。

禁煙は生まれてくる赤ちゃんと、なによりも自分のためです。後から後悔することのないよう、新しい子どもの命は、お母さんであるあなた自身が守ってあげましょう。

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浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

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