出産準備

【助産師監修】カンガルーケアとは?方法や効果、リスクについて

2018.04.23

「カンガルーケア」という言葉を知っていますか?出産を控えたママは、耳にしたり、本で読んだりしたことがあるかもしれません。

よく知っている方もそうでない方も、この機会に一緒に勉強してみませんか。

カンガルーケアって?


カンガルーケアとは、ママが赤ちゃんを裸のまま、母親の胸の上で抱っこすることです。

もともとは、NICU等で過ごしている低体重出生児に行われる医療行為としての母子のふれあいが原点ですが、今では、入院などしなくてもいい通常通りに出産された母子にも行われています。

カンガルーケアといえば主に出産直後に行われるものをいうことも多く、これは専門的には早期母子接触とも呼ばれています。この記事では、出産直後のカンガルーケアについて取り上げていきます。

カンガルーケアの方法

正期産児(正産期の間に産まれた赤ちゃん)向けのカンガルーケアの場合、産まれて30分以内に2時間程度のスキンシップが推奨されています。

母子ともに、健康に異常がないことが前提なので、医師の判断によっては行えないこともあります。

帝王切開を行った母子や低体重児の場合でも、母子の状態が安定していれば、カンガルーケアを行うことができます。

行う場所や時間など、詳しい方法については各施設で少しずつ違いがあるようです。

カンガルーケアを体験しました


私も出産時にカンガルーケアを行いました。出産直後、体をきれいにしてくれた赤ちゃんを胸の上に寝かせて、保温のためタオルをかけてくれます。

助産師さんがおっぱいを絞ると初乳が少しだけ出たので、それを赤ちゃんに吸ってもらいました。小さな赤ちゃんの重みや体温、ひそやかな呼吸を感じながら、心穏やかな時間が過ぎていきました。

本当に赤ちゃんが可愛くて、出産を頑張った「ご褒美の時間」だと感じました。

カンガルーケアのメリット

ママが赤ちゃんに愛情を抱きやすい

出産直後に赤ちゃんとスキンシップを行うことで、ママは赤ちゃんへの愛情を実感しやすいといわれています。

赤ちゃんも安心できる

分娩の前後で赤ちゃんを取り巻く環境は劇的に変わります。カンガルーケアを行い、ママの体温や呼吸を肌で感じることで、安心することができます。

母乳育児がスムーズになる

赤ちゃんと触れ合ったり、おっぱいを吸われたりすると、ママの体の中では愛情ホルモン(オキシトシン)の分泌が活発になり、母乳の分泌が促されることが知られています。

母乳育児をスムーズに進めるには、出産後の早い時期からママと赤ちゃんが触れ合うことが大切です。

カンガルーケアのリスク


ここまで読むと、いいことばかり!私もカンガルーケアができる日が待ち遠しい!と思うプレママも多いかもしれません。しかし、知っておいてほしいリスクもあります。

赤ちゃんの容体が変わるリスク

もともと、産まれてすぐの赤ちゃんの健康状態は不安定です。ですから「カンガルーケアを行ったせい」とは言い切れませんが、残念ながら、実際に痛ましい事例も起きています。

母子の様子はスタッフが常に気にかけていることが前提ですが、病院によっては人手が足りず母子だけの時間が長くなり、変化に気づかれにくくなる可能性もあります。

様子が変だと思った時にはすぐに、近くにいる看護師などに声をかけましょう。

落下や窒息のリスク

出産直後のママはすごく疲れているので、ぼーっとしたりうとうとしたり、中にはママの容体が急変してしまったりなど、思いに反して、赤ちゃんの様子に気を配れないことも。

前に書いたように、容体が急変しても気づかない可能性の他、赤ちゃんを落としてしまう、うつぶせのまま呼吸できていないことに気づかないといった危険があります。

カンガルーケアについて知っておこう

出産する施設でよく話を聞こう

カンガルーケアを行うか、事前に希望を聞いてくれる施設が多いかと思います。あるいはバースプランを決めるときに話が出るかもしれません。

質問や不安があれば、助産師や医師によく話を聞いておきましょう。

夫婦でもよく話し合って

カンガルーケアは出産に必須のものではありません。疲れ切っていたのに当然のようにさせられるのは苦痛だった、と話すママもいました。

カンガルーケアをしなくても、愛情深く赤ちゃんを育てている人もたくさんいますので、ご夫婦でもメリット、デメリットについてよく話し合っておかれるのをおすすめします。

効果とリスクを知って素敵なお産を


怖い情報もたくさん出てきましたが、私自身はカンガルーケアをして良かったと思っています。

ただ、何となくカンガルーケアをすることを決めてしまいましたが、そのリスクについては知識がなく、医師や看護師の方と話す機会もないままでした。

何事もなかったから良かったけれど、もっと自分でも勉強しておくべきだったと反省もしています。

カンガルーケアは出産のオプションのひとつにすぎません。カンガルーケアをしてもしなくても、これから出産を迎えられる皆さんのお産が素敵なものになることをお祈りしています。

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2017年1月生まれの女の子を育てている新米母です。夫は単身赴任なため、フルタイムで働きながら、ワンオペ育児に奮闘しています。育児疲れは仕事で癒し、仕事の疲れは娘の笑顔で癒しながら、毎日を乗り切っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

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