
【助産師監修】母乳が出過ぎて詰まる!母乳分泌過多症の原因と対策
2023.01.26

AMOMA編集部
妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。
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意外と悩んでいる人が多い「母乳過多(母乳分泌過多症)」。出ないよりいいと思われがちですが、赤ちゃんが飲める量よりも多くの母乳が作られるため、乳房がパンパンに張ったり乳腺炎になりやすくなります。
周囲に理解してもらいづらい母乳過多ですが、その原因と自分でできる対策をお伝えします。
母乳過多(母乳分泌過多症)とは
新生児の時は赤ちゃんが飲める量よりも作られる量が多く、母乳が余りがちになることがあります。
しかし、2~3ヶ月と月齢が進んで赤ちゃんがたくさん飲めるようになっても飲み残しがあり、いつまでも母乳が余っている状態のことを母乳過多といいます。
母乳パッドを1時間に1回程度替える方は母乳過多です。
母乳過多の原因
乳腺が発達している
母乳過多の一番多い原因が、乳腺が発達していて母乳が出やすいなど、ママの体質によるものです。乳腺が沢山ある人を「高密度乳腺」といい、その人も分泌過多になりやすいです。
オキシトシン反射が強い
オキシトシン反射(催乳反射)とは、オキシトシンというホルモンが分泌されることで、乳房にある母乳を外に押し出す反射作用のことです。
赤ちゃんが簡単に母乳を飲めるよう手助けをしてくれる作用ですが、強すぎると赤ちゃんが飲みきれないことがあります。
高プロラクチン血症
下垂体から分泌される母乳促進ホルモン(プロラクチン)が高い方が多く、稀に下垂体に腫瘍が出来ていることもありますので注意が必要です。念のために、かかりつけのお医者さんに相談するとよいでしょう。
母乳過多に効く5つの対策
圧抜きをする
まだ赤ちゃんが生まれたばかりか、月齢が小さく需要と供給のバランスが悪い時期は、搾るよりも2~3割ほど圧を抜きましょう。
<圧抜きの方法>
1. 両手を左右の脇の下にあて乳房を押し上げます。
2. 乳輪の周りから親指と人差し指で体の内側の方に押し、乳頭の中心に向けて指の腹と腹を合わせます。
おっぱいをしごくようなやり方はNGです。乳腺を痛めてしまい、熱を持ってかえって悪化する場合があります。
授乳後にしぼりきらない
おっぱいは搾れば搾るほど、余計に母乳が作られ乳房が張ってしまいます。圧抜きと同じように、乳輪のすぐ外側から内側に押すように、少しずつ搾乳しましょう。
ある程度搾らずに残しておくのも、分泌を抑える一つの方法です。
ゆっくりと冷却
母乳が出ない人は温めて、出過ぎる人は冷やします。しかし、氷などで急激に冷やすと今度は母乳が出なくなってしまうこともあるので、ゆっくりと冷やすことが大切です。
おすすめはペパーミントおしぼりやキャベツ湿布です。
1. ペパーミントおしぼり
冷水が入った洗面器に、ぺパーミントの精油を5、6滴垂らし、何本か冷たいおしぼりを作ります。おしぼりを5~6本用意して、ジップロックなどに入れて冷蔵庫に用意しておくとよいでしょう。
授乳後もまだ張っていたり、荒熱がある場合には、このおしぼりをおっぱい全体に被せて冷却します。
2. キャベツ湿布
野菜室に入っているキャベツを一枚はがして、おっぱいにかぶせるだけです。じんわりおっぱいの内側からの荒熱をとってくれます。何より手軽に出来るのが一番ですね。
ハーブティーの活用
セージ茶やぺパーミントティーは母乳の分泌を抑えるといわれており、ヨーロッパでは昔から卒乳・断乳の時に用いられてきました。
セージやペパーミントがブレンドされたハーブティーもあり、母乳の分泌を抑えたい授乳期ママにおすすめです。
ハーブティーは身体に優しいので、薬を飲むことには抵抗がある方にもおすすめです。
乳管が細かったり、母乳がドロドロしていて巡りが悪いことでおっぱいが詰まっている方はミルクスルーブレンド、母乳の出が良すぎるから母乳量を調節したかったり、卒乳・断乳をしたい方はミルクセーブブレンドがおすすめです。
ミルクセーブブレンドは卒乳を目指す方は1日2〜3杯、授乳を続けたい方は1日1杯が目安になります。
ミルクスルーブレンド
約60%のママが経験している「つまり」や「チクチク」のトラブル。その悩みから、助産師と英国メディカルハーバリストが共同開発して生まれたのが「ミルクスルーブレンド」です
つまりやチクチクを感じる方にミルクスルーブレンド
ミルクセーブブレンド
ヨーロッパで昔から母乳量をセーブしたいママに使われてきたセージとペパーミントをメインに、全5種のハーブを授乳ケアの専門家と共にブレンドしました。原料は、英国オーガニック認証または農薬を使用せずに栽培したハーブをブレンドしています。
母乳過多や卒乳時に起こるトラブルミルクセーブブレンド
脂っこく糖質が多い食事は控える
母乳過多の人は、乳腺炎にもなりやすいもの。高脂肪な食事や糖分が多いお菓子、ジュースなどはできるだけ控えましょう。
和食が基本ですが、特に青菜(ほうれん草、小松菜、春菊など)をおひたしなどで食べて血液をさらさらに保つように意識して召し上がってください。
かけがえのない授乳期間、乳腺炎などの辛い授乳トラブルに悩まないためにも、ぜひできることから始めてみてくださいね。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般

管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど

日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
心理カウンセラー

日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
産婦人科医
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