体の悩み

【助産師監修】新型出生前診断 その方法や費用は?

2019.05.14

夏川 ユキ

Writer / 看護師

0歳2歳の姉妹を育てています。看護師ですが育児休業中で、将来はお母さんたちの支えになれるような助産師、もしくは産科の看護師として働きたいと思っています。食事や健康、育児について学ぶのが大好き。アロマやハーブティーに触れる時間が憩いのひとときです。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

出生前診断という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。「新型の出生前診断」は、従来の出生前診断と何が違うのでしょうか?

今回は新型出生前診断の方法や費用についてご紹介します。

新型の出生前診断で何がわかるの?

この技術は「無侵襲的(むしんしゅうてき)出生前遺伝子学的検査」や「NIPT(Non-Invasive Prenatal Genetic Testing)」とも呼ばれます。

様々な検査方法

出生前診断には、様々な方法があります。子宮や胎盤に針を刺して検査する方法や、母体から血液を採って調べる方法があります。

「新型の出生前診断」も母体の血液を採って調べるのは同じですが、母体の血液の血漿(けっしょう)という成分のなかに浮かぶ、胎児のDNA断片を分析するという部分が異なります。

ダウン症等の検査

では、新型の出生前診断で何がわかるのでしょうか?

この検査は、胎児のDNAの情報の「量」を調べる検査なので、遺伝子の量、つまり本数が通常とは違うことによって起こる病気を発見することに特化しています。

よく知られる遺伝子による病気、なかでも遺伝子の本数が関わってくる病気は13番トリソミー、18番トリソミー、21番トリソミーです。

この中で最も出産の頻度が高いのは21トリソミー、いわゆるダウン症です。

気になる検査方法は?

羊水検査

従来からある、羊水検査や絨毛検査は実はリスクがゼロではありません。羊水検査はその名の通り赤ちゃんが浮かぶ羊水を少しだけとって検査するというもの。

この羊水に浮かぶ赤ちゃんの細胞から遺伝子の検査をします。子宮に針を刺すので、200~300回に1回の割合で流産もありえるというデメリットがあります。

絨毛検査

絨毛検査は子宮壁面に生えている毛のようなものを調べる検査方法ですが、さらに流産のリスクが高まります。

赤ちゃんと、この絨毛といわれる毛の遺伝子は同じなので、この検査で赤ちゃんの遺伝子に異常がないかを調べることができます。

新型出生前診断

新型出生前診断では、母体から20㏄程の血液を注射器で採るだけでできます。二週間ほどで染色体異常の可能性がわかり、陽性の場合は羊水検査を受けて確定診断となります。

新型出生前診断の精度は99パーセントって本当??

陽性的中率

新型出生前診断は検査の精度が99パーセントといわれています。しかし、実はこの検査をうけて「陽性」と言われても、言われた人が99パーセント陽性という意味ではありません。

陽性だと言われて本当に陽性である確率は「陽性的中率」といわれます。陽性的中率は、実はその人の持っている背景、例えば年齢などによって変わってきます。

低年齢妊婦に比べ、高齢妊婦の方が陽性的中率が高くなります。ちなみにダウン症の子を授かる確率は、20歳で1/1667、45歳で1/30ともいわれます。

検査のための検査

アメリカではこの新型出生前診断は確定的な診断ではなく、この検査にひっかかった人に、更に確定的な結果が出せる羊水検査をすすめるとったように、ふるいにかける検査として利用されています。

気になる費用は?その対象となる人は?

この出生前診断、実は公費負担ではありません。自由診療なので、病院によってもまちまちですが、一般的には20万円前後の費用がかかります。

また、どこの病院でも行っているわけではなく、だれでも受けられるわけでもありません。受診対象者は超音波検査でなんらかの異常が疑われた妊婦さんや高齢の方とされています。

受診が必要な方は、専門医とも相談し遺伝外来や遺伝カウンセラーがいる受診可能な医療機関を確認しましょう。

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