妊娠・出産

助産師が教える!妊娠中の腰痛-原因と対策-

2019.06.23

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

多くの妊婦さんが腰痛に悩まされています。歩くのが痛い・寝るのも辛い・寝返りをうつこともできない…そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

お腹が大きくなるにつれて痛みが増しますが、妊娠初期から腰痛がおきる場合もあります。今回は、妊娠中の腰痛の原因と、その対策を助産師の浅井貴子先生が解説します。

妊娠初期の腰痛、原因は?

腰痛

出産ホルモンが骨盤をゆるめるため

妊娠3ヶ月ごろになると、卵巣ホルモンの一種であるリラキシンというホルモンが分泌されます。

このホルモンは赤ちゃんがお母さんの狭い骨盤を通れるように、出産に備えて関節や靭帯を緩めたりする作用があります。

その結果、緩んだ骨盤をお尻の筋肉や腰の筋肉で支えようとして腰痛が起きます。出産には大事なホルモンなのですが、重たい身体が緩みやすくなるので妊婦さんにとってはとても辛いものでしょう。

妊娠後期の腰痛、原因は?

姿勢が変化し、背部が張るため

出産ホルモンの影響に加え、妊娠すると10kg前後体重が増えて姿勢の変化が起こります。そしてお腹が大きくなり、重心が前方に移動する事によって、骨盤や腰椎が前方に傾きます。

そうなると背中の筋肉で支えて、後方にバランスをとろうとし、絶えず背中が張った状態になるため、背部痛や腰痛の原因になります。
妊娠中の姿勢の変化

妊娠中の腰痛対策

日常生活の中での腰痛対策

重たい荷物や上のお子さんを抱っこする時などは、必ず片膝を床につけてゆっくり持ち上げます。

靴なども平面の靴底よりも、 2~3cmのヒールがあるもののほうが重心が後ろになるために歩きやすい方も多いようです。

また、冷え症の人も筋肉が硬くなり、腰痛になりやすいので日頃から半身浴をしたり、夏でもシャワーだけで済ませないように気をつけましょう。

妊婦さん用のハーブティーなどを飲んで、普段から体を温かく保っておくとよいでしょう。

骨盤ベルトを活用しましょう

骨盤ベルト

骨盤が緩んで歩くのも辛い時は、「骨盤ベルト」で骨盤を固定する方法もあります。

仙骨(骨盤の中央)と恥骨結合(骨盤の前部の接合部分)と大転子(太ももの張っている所)の3点を結ぶラインをベルトで巻きます。(注:お腹の下で巻くので、赤ちゃんは苦しくありません)

専用のベルトでもよいですが、ドラッグストアなどで売っている生ゴムのベルト・柔道のヒモ・長めのさらしでぎゅっと結わえても大丈夫です。

腰痛軽減エクササイズ

腰や背中の筋肉が緊張し、血流が悪くなると腰痛の原因になります。筋肉の緊張をほぐすエクササイズで腰まわりの血流をよくし、腰痛を軽くしましょう。

1.二人組みのストレッチ
二人組ストレッチ

二人が向かい合い両足を肩幅位に開きます。お互いの手を両肩に置いて、ゆっくり息を吐きながら背筋を伸ばします。一人でやるときはシンクやテーブルなどにつかまりながら行うとよいでしょう。

2.猫のポーズ
猫のポーズ

マタニティヨガでは定番のストレッチです。 これも肩幅ぐらいに両膝をついて四つん這いになります。息を吐きながら背中を丸め、息継ぎをしてまた吐きながら背中を気持ちよい所まで反らします。

特に首を伸ばしながら行うと風邪の予防にもなります。日頃からよく床拭きをしている人に腰痛が少ないのは、自然とこのポーズをしているからです。

シムス位

シムス位

妊娠中はうつぶせの姿勢が出来ないので、シムス位(うつ伏せに寝て片足を曲げる姿勢)などの横向きに寝るか、椅子にまたがった姿勢で背中から腰を十分にだしてマッサージすると腰痛も軽減できます。

腰痛軽減マッサージ

腰痛マッサージ

1.脊柱起立筋を圧迫するように手の平で下から上にマッサージします。

2.広背筋をよくもみほぐします。

3.仙腸関節やお尻の痛い部分を親指や手の平でやや強めにマッサージします。

特にフットバス(足浴)や風呂上りにマッサージオイルを使用するとより効果的です。パートナーにマッサージしてもらうとよいでしょう。


いかがでしたでしょうか?色々と腰痛の対策をお伝えしましたが、できることから試してみましょう。

そしてセルフケアで改善しない場合は無理をしないで、医療機関などの診察を受けるようにしてくださいね。

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浅井貴子
■資格・免許
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