妊娠・出産

【助産師監修】産後の尿漏れー原因と対処法ー

2017.01.26

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

約10ヶ月の妊娠期間で変化していった身体が急に元に戻ろうとしている中で、様々な不快症状が起こってしまう人もいるかと思います。今回は、その中でも人には少し言いにくい、産後の尿漏れについて調べてみました。

もしかして私だけ…?産後の尿漏れ

悩む

妊娠中の尿漏れはよくあることだと知っていたけれど、出産した後まで尿漏れするなんて…。知らないと自分だけなのではないかと心配になってしまいますよね。けれど、妊娠中と同じく産後の尿漏れもよくあることです。

基本的にこの時期の尿漏れは自然と治ることが多く、産後の身体の回復とともに3ヶ月〜半年ほどで解消することが多いようですので安心してくださいね。しかし症状が長引く場合は、放っておくと年を重ねてから再び尿漏れしやすくなってしまうことがありますので注意が必要です。

ではさっそく、産後の尿漏れの原因と対処法をみていきましょう。

産後の尿漏れの原因は?

大きくなった子宮が膀胱を圧迫しているから

大きくなった子宮

妊娠中は赤ちゃんが成長するのに伴って、大きくなる子宮が膀胱を圧迫して、尿漏れが起こりやすくなります。大きくなった子宮は出産後すぐには元の大きさに戻りません。そのため、産後も同じように膀胱が子宮に圧迫され続けており、尿漏れが起こりやすくなるのです。

膀胱と子宮の位置は産後3〜4ヶ月くらいで元に戻るので、その頃には自然と尿漏れも治ることが多いと言われています。

分娩時に骨盤底筋がダメージを受けたため

分娩_S

赤ちゃんが産道を通過するときに、子宮、膀胱、直腸などの内臓を支える骨盤底筋がダメージを受けると、尿道を締める働きが悪くなってしまうため、尿漏れが起こりやすくなります。

赤ちゃんの頭が大きく、分娩時間が長引いた場合や3500g以上の大きな赤ちゃんを産んだ場合は特に気をつけましょう。

骨盤底筋は、妊娠中のホルモン作用によって緩みやすくなっているので、より傷みやすい状態になっているのです。

また、分娩によって神経組織がダメージを受けると、尿漏れの他にも、おしっこが出にくくなったり、排尿後に残尿感を感じる、などの知覚障害が起こりやすくなることもあります。

産後の尿漏れ対策は疲労回復と骨盤底筋トレーニングを

とにかく休める時に休む

休む_S

尿漏れを一刻も早く治したい!と焦ってしまうママもいると思います。けれど、産後間もない時期に無理は禁物です。この時期に無理をしてしまうと、尿漏れ以外にも腰痛や子宮復古不全といって子宮の回復がうまくいかなくなったり、様々な症状を引き起こしやすくなってしまいます。

産後の肥立ちと言われる出産後おおよそ6週間〜8週間まで、家事はできるだけ家族にお願いして、ママは赤ちゃんのお世話以外の時間は横になって休むようにしましょう。

体調をみて骨盤底筋トレーニングを

ストレッチ

前述の通り、出産によって弱った骨盤底筋は、鍛えなおすことで尿漏れが改善することが多いです。

妊娠中から尿漏れの症状があった人や、出産に時間のかかった人、3500g以上の大きめな赤ちゃんを産んだ人は骨盤底筋がダメージを受けている可能性が高いのでぜひ試してみてください。

あくまで無理をせず、会陰の痛みや悪露が落ち着いた頃からケアしていきましょう。

骨盤底筋トレーニングは継続することで効果が出ます。少しずつでも、毎日欠かさず行うことが大切です。ここでは日常生活の中に取り入れやすい骨盤底筋トレーニングをご紹介します。

《毎日朝晩、布団の中でできるトレーニング》

1.仰向けに寝て、両足を肩幅に開く
2.膝を立て、身体の力を抜く
3.肛門と膣を締め、そのままゆっくり5つ数える

《新聞を床に広げて読みながらできるトレーニング》

1.床に膝とひじをつき、手のひらにあご乗せる
2.肛門と膣をゆっくり締め、そのまま5つ数える

《椅子に座って、テレビを見ながらできるトレーニング》

1.椅子に座って足を床につけ、肩幅に開く
2.背中をまっすぐ伸ばし、顔を上げる
3.肩の力を抜き、お腹に力が入らないように気をつけながら、ゆっくり膣と肛門を締める

まちがった引き締めにご注意を!

間違い

産後すぐに骨盤を引き締めようと、ウエストニッパーやガードルを使うことは、実は逆効果なのです。ウエスト周りをきつく締めると、骨盤を裾広がりに変形させてしまったり、子宮や膣を下に下げて骨盤底筋に負担をかけて尿漏れを悪化させてしまうことがあります。産後4週間以上は、きついウエストニッパーやガードルを使わずゆっくり身体を休めましょう。産後すぐから使える骨盤ベルトも、引き締め過ぎは禁物です。


産後の尿漏れは自然に治ることが多いとはいえ、できるだけ早くサヨナラしたいものですよね。そのためにも、出産で頑張った身体をいたわり、休める時には休んで、無理のない範囲でトレーニングを試してみてくださいね。

関連する記事:産後の体トラブル~腰痛、背中の痛みと私の対処法~

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助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
管理栄養士
にしだかなこ
■資格・免許
管理栄養士・幼児食アドバイザー
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メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど
心理カウンセラー
佐々木明子
■資格・免許
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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産婦人科医
牛丸敬祥
■資格・免許
日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
■専門分野
産婦人科医

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