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【助産師監修】妊娠中の飲酒はなぜNG?胎児に与える影響は?

2016.04.20

Fumiko shibuya

Mama writer

2015年5月生まれの男の子を育児中の三十路ママです。天然でのんびり屋の父ちゃんと、プクプク泣き虫マンの3人家族。食事もお買い物もゆっくりできないけれど、赤ちゃんに振り回される毎日も悪くないと思っています♪

妊娠をしたら、まず避けたいのがお酒と煙草です。煙草は何となく身体に毒であるイメージがありますが、お酒は少し嗜む程度なら大丈夫そうに思えますよね。

ところが、妊娠中のアルコール摂取には、胎児を危険に晒す大きなリスクが隠れているのです。意外と知られていないアルコールの怖さについて、大切な我が子の為にしっかり頭に入れておきましょう。

母親が摂取したアルコールの行方

アルコール

妊娠中にお酒を飲むと、母親の血液中のアルコール濃度が高くなります。そのアルコールは酸素や栄養と共に胎盤を通じて、直接赤ちゃんへと運ばれていきます。

大人がアルコールを摂取した場合、肝臓の働きでアルコールを分解します。ところがお腹の中の赤ちゃんは肝臓の機能が未発達なため、アルコールが分解できず体内に留まってしまうのです。つまり、酔っぱらった状態が長く続いてしまうということです。

その間の神経細胞の成長は止まってしまうばかりか、細胞を傷つけることもあります。こうしたアルコールの影響で、胎児への障害や奇形が起こると考えられています。

胎児性アルコール症候群(FAS)とは?

FAS

胎児性アルコール症候群(FAS)とは、妊娠中の母親によるアルコール摂取が原因で、生まれてくる赤ちゃんに低体重・顔に関する奇形、脳障害などの先天性疾患が見られる状態をいいます。具体的には、以下のような症状が現れます。

発育の遅れ

低体重、低身長など発育が悪くなります。アルコールを摂取しない母親から生まれてくる子供よりも、約5~10%ほど小さく、生まれてからも成長が遅くなる傾向にあることが分かっています。

顔に関する奇形

全体的に平たい顔つきになりやすくなります。鼻が小さく低かったり、目が小さく瞳孔部分(黒目)しか開かなかったりします。

身体の障害

心疾患や関節の形成異常などが起こる可能性があります。

中枢神経の異常

外見の異常が見られなくても、中枢神経に異常をきたす恐れがあるため、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害が出る可能性があると言われています。

また、自然流産しやすくなる傾向もあります。胎児性アルコール症候群の治療法は確立されておらず、妊娠中の母親が禁酒をすることでしか発症を防ぐ方法がありません。

妊娠に気付かずアルコールを摂取してしまった!

ビール

妊娠に気付かずにお酒を飲んでしまった場合、絶対に大丈夫!とは言い切れませんが、気付いた時点で禁酒をすることが大切です。胎盤が完成する前なので影響はないとする説もありますが、医学的にはハッキリしていません。

お酒を飲んでしまったことを後悔し、ストレスを抱えながら不安な妊娠生活を送るくらいなら「この子は大丈夫!」と前向きに考えて、その後の飲酒はきっぱりと止めましょう。

妊娠をしていなくても「そろそろ子どもが欲しいな」と考え始めた頃や、妊活をスタートした時点で、禁酒することが望ましいですね。

少量ならアルコールを飲んでもいい?

少量なら

欧米では、胎児性アルコール症候群の危険はないとされる飲酒量は「1日1ドリンク、週に7ドリンク以下」(1ドリンク:純アルコール10g、ビール250ml程度)とされています。
しかし厚生労働省では「体格の小さい日本人には適応すべきでない」としています。

日本人を含む黄色人種であるモンゴロイドは、遺伝的にアルコールに弱いそうです。
さらに男性よりも女性の方がアルコールに弱いことが多いです。それは、男性よりも体重が軽いことや、女性ホルモンがアルコールの分解を阻害することが原因とみられています。

お酒の量や頻度と胎児性アルコール症候群の因果関係については、医学的に解明が進んでいない状況です。こうしたことから、「お酒を少ししか飲んでいないので発症の確率は低い」とは言い切れないのが現実です。

我が子のために禁酒を

家族

胎児性アルコール症候群は、母親がアルコールを摂取しなければ100%防げる病気です。お酒が好きな人には辛い選択になりますが、生まれてくる我が子のために禁酒をしてください。

「ストレスは身体に毒!少しくらいなら飲んでもいいよね!」と、理由をつけて飲んでしまうこともあるかもしれません。しかし、自分のストレスを解消するために、お腹の中の我が子にリスクを負わせてしまっても良いのでしょうか。
ほんの小さな考えの甘さが、後の大きな後悔を生むことになるかもしれません。

現在はノンアルコール飲料も充実しているので、どうしても飲みたい場合はそれで我慢しましょう。ただし、ノンアルコール飲料にも微量のアルコールが含まれているため、飲みすぎは禁物です。精神力ではとても我慢できそうもない場合は、アルコール外来を受診し外からの助けを借りるのも一つの手です。

我が子の健やかな成長のために、お酒からは意識を遠ざけるように努力しましょう。父親となるパートナーにもアルコール摂取のリスクを理解してもらい、一緒に禁酒をして共に頑張っていけると良いですね。

関連記事:妊娠中の煙草、喫煙の影響は?やめられない時の対処法

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