
【助産師監修】新生児・赤ちゃんの正しい授乳姿勢や抱き方のコツ
2019.02.28

監修 浅井貴子
助産師
新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。オールアバウトでも執筆中。

AMOMA編集部
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新生児の頃は赤ちゃんの体重が軽いため、負担を感じることが少なかった授乳も、同じ授乳姿勢を続けているとわが子の成長に辛くなってくることがありますよね。
また、同じ授乳姿勢ばかりだと飲み残しができ、古くなった母乳がつまって乳腺炎になってしまうこともあります。
今回はママの身体に負担が少ない正しい授乳姿勢・抱き方のコツについてご紹介します。
基本の授乳姿勢・抱き方4つ
横抱き

体を安定させやすいので飲ませやすく、一般的な授乳姿勢です。授乳用のクッションを使うとより安定します。
縦抱き

赤ちゃんの体を起こし、お母さんの足に赤ちゃんの足をまたがらせるようにして、正面から授乳します。
乳輪までしっかりとくわえこむことができる姿勢なので乳頭が短い人におすすめです。
赤ちゃんの身体が小さい生後3ヶ月くらいまでの首が座らない時期はぐらぐらして大変かもしれません。
ですが、赤ちゃんの首をしっかりと支えて、赤ちゃんのお腹とママのお腹を近づける様にして態勢を整えましょう。
【動画で解説】横抱き・縦抱き
記事だけではわかりづらい姿勢は、動画で確認してみてくださいね。
横抱き・縦抱きの方法に加えて、外出時に授乳クッションを使わない場合の授乳方法についてもお伝えしています。
フットボール抱き

赤ちゃんを小脇に抱え、頭だけ乳房のほうに出して飲ませる授乳姿勢です。
ママが赤ちゃんの姿勢をコントロールしやすい体勢なので、乳房への吸い付きがうまくできない赤ちゃんや乳腺炎になりやすい方にオススメです。
また、授乳クッションを縦に使うと首の固定もしやすいので、首が座る前の赤ちゃんも授乳しやすい姿勢です。
身体をまっすぐにして、しっかりと頭と身体を支えましょう。双子のママは一度に授乳ができるメリットもあります。
【動画で解説】フットボール抱き
普段横抱きばかりで授乳するママやしこりができやすいママは、フットボール抱きも取り入れてみましょう。
いろいろな抱き方をすることで飲み残しによるしこりを防ぐことができます。
授乳クッションがない場合に、家のクッションで代用する方法もご紹介しています。
添い乳

赤ちゃんとママが向かい合って横になり、赤ちゃんに乳首をふくませる授乳姿勢です。夜中の授乳では、お互い起き上がる必要がないので、楽な姿勢です。
しかし、ゲップが出にくい姿勢のため、赤ちゃんがゲップをしない時は、授乳後に縦抱きで背中をさすってあげましょう。
いつも同じ姿勢だと乳腺炎に?

乳腺は放射状に広がっているため、いつも同じ姿勢で授乳をしていると飲み残しの部分がしこりになります。
乳腺炎の原因にもなるので、ご紹介した横抱き・縦抱き・フットボール抱きをバランスよく取り入れ、色々な方向から飲ませましょう。
他にも上のイラスト「四つん這い授乳」では、重力がかかっておっぱい全体から母乳が出やすくなるので、つまりやすいママは試してみるとよいでしょう。
赤ちゃんをクッションに寝かせ、その上に四つん這いになって乳房を吸わせます。
関連記事:乳腺炎・うつ乳・白斑の方へのアドバイス
授乳姿勢・抱き方のコツは?

ママ自身に負担がある抱き方は、赤ちゃんも母乳を飲みづらい状態にあると思ってください。
辛い姿勢を続けているとママのストレスも大きくなり、母乳の量にも影響することがあります。
背もたれやひじかけの椅子を利用する
背もたれやひじかけのある椅子など、何かにもたれながら授乳すると体への負担が少なくなります。
姿勢が左右に傾いたり、前かがみになっていたりすると、肩こりや腰痛の原因にもなるので注意してください。
授乳中は猫背になりがちなので、少し胸を張るくらいの気持ちでいると良いでしょう。
赤ちゃんの体がまっすぐである
顔だけおっぱいを向いていても、体がよじれていては十分に母乳が飲めません。
授乳時に、顔だけでなく赤ちゃんの耳・肩・腰もそれぞれママの体の方を向いているようにし、ママと赤ちゃんの体を密着させるようにしましょう。
正面を向かせ、乳輪部までくわえさせる
授乳クッションなどを使って、赤ちゃんの口の高さがママの胸の高さと同じになるように調節しましょう。そして、赤ちゃんの顔が乳頭に対して正面を向くようにします。
斜めだとくわえ方が浅くなり、おっぱいが出なかったり乳頭が傷つく原因になります。
おっぱいは乳輪部にたまっているので、アヒル口のような形で深くくわえさせるとうまく授乳できます。
授乳用クッションを活用

ネットショッピングやデパートなどで、最近は授乳クッションがたくさん販売されています。
個人差はありますが、授乳中の身体の負担を軽減するために授乳用クッションを活用するママも多いようです。
クッションを選ぶ時のポイントは、
1.赤ちゃんの顔が乳房の高さになる厚み
2.程よい固さがある
3.カバーは取り外して洗える
などが挙げられます。赤ちゃんとママにぴったりのクッションを選びましょう。
赤ちゃんもママも快適な授乳姿勢を

初めての授乳はどんなママにとっても難しいものです。ママだけでなく、赤ちゃんも日々練習しています。
何度も繰り返していくうちに、赤ちゃんとママの息が合って上手な授乳ができるようになります。色々な授乳姿勢を試して楽になるポジションを探しましょう。
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看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般

管理栄養士・幼児食アドバイザー
メンタルヘルス食カウンセリング、子供の心を育てる食育講座、企業向け健康経営セミナーなど

日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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日本産婦人科学会会員その認定医、産婦人科専門医、日本ソフフロロジ学会会員、東京オペグループ会員、日本アロマテラピー学会会員
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