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頑張りすぎない
“食”との向き合い方

宮元 永実
聞き手:宮元 永実
頑張りすぎない“食”との向き合い方

取材させていただいた

栄養士
食育インストラクター
石川 美佳さん

離乳食や毎日の献立作りなど、キッチンに立つ時間が増える産後。毎日の食事を今よりもっと楽しむためには?今回は栄養士として産前産後のママをサポートしている石川美佳さんに詳しく解説していただきました。

#プロフィール
栄養士として産前産後サポート協会認定講座を担当、『ココロとカラダが喜ぶこと』をコンセプトに産前産後のママに向けた食事作りのアドバイスをはじめ、大人向け/子ども向けの料理教室を開催するなど広く活動中。男児3人のママ。

食の大切さを多くの人に伝えたい

AMOMAスタッフ 宮元:

石川さんが栄養士としてお仕事を始めたきっかけを教えてください。

石川さん:

二人目を妊娠中、私が病気を患っていることが分かったんです。悪性ではなかったので治療をし、無事に出産できましたがすごくショックで、『食をもう一度見直そう』、と決意しました。もともと短大時代は食物栄養学科で栄養士の資格を持っていたので、通信講座で更に学びなおすことにしました。自分のために学ぶだけではなく、『食の大切さを多くの人に伝えられるようになりたい』と思い、毎晩子どもたちを寝かしつけたあと、机に向かう日々が続きました。そして9年前から料理教室や食育講座、個人レッスンなど活動を広げていくようになりました。

食事作りは頑張りすぎないこと。無理せず、気軽に。

AMOMAスタッフ 宮元:

産前産後のママが毎日の食事を作るうえで気を付けたほうが良いことはありますか?

石川さん:

特に妊娠中や授乳中は、ママの栄養が赤ちゃんへ繋がっていますよね。ですが大きなストレスを抱えていたりすると、どんなに良い栄養を摂っても赤ちゃんには届かないんです。だからママがストレスを極力抱えないようにすることはとても大事なことです。
 私は栄養士ではありますが、あまり栄養のことを話さないようにしています。だって毎日、『鉄分が、カルシウムが…』と栄養のことばかり考えて料理するなんてストレスになるし楽しくないですよね。無理せず気軽に栄養管理できるよう、食事作りをサポートしていけたらと思っています。

AMOMAスタッフ 宮元:

自分が食べたものが赤ちゃんに影響するのが気になって材料に神経質になりストレスを抱えてしまうママは多いですよね。

石川さん:

食にこだわることはとても良いことです。でも、頑張りすぎて余裕がなくなった時に『自分を許せるかどうか』は大事なポイントだと思います。自分を許せずに葛藤して余計イライラし、追い詰められてしまう方も。そのように頑張りすぎているママには、少しゆるめるなど無理のない範囲で見直すことが大切ですね。

まずは『タンパク質』を上手に摂ろう

AMOMAスタッフ 宮元:

食生活を見直すとき、栄養の摂り方のポイントを教えてください。

石川さん:

よく『野菜中心の食生活』と聞きますが、お肉や脂ものを避けて野菜中心に摂る方には貧血が多いんです。それよりもまず、自分の体(皮膚や筋肉、血液など)の大部分を作っているタンパク質が栄養バランスを作るうえでは必要不可欠。
また、よく『産前産後には鉄分』と言われますが、鉄分を体内に吸収するにはまずはしっかりタンパク質を摂取しなければ吸収されないんです。だからまずは吸収率のよい動物性のタンパク質を摂ることを考えていけるといいですね。

AMOMAスタッフ 宮元:

動物性のタンパク質ってお肉やお魚ですよね。効率よく摂るためにはどうすればいいですか?

石川さん:

量をたくさん食べるのではなく、質の良いものを摂るよう意識しましょう。例えば、お肉やお魚が100ℊあったら、タンパク質も100ℊ摂れるわけではありません。脂分には含まれないので、牛肉ならなるべく脂分が少ない赤身や、鶏肉ならササミや胸肉などを選ぶのが効率的ですね。

AMOMAスタッフ 宮元:

ほかに食生活で注意したほうがいいことや避けるべきものはありますか?

石川さん:

食生活の改善で玄米を取り入れる方が多いですが、普段から食べ慣れていない方は噛む力が足りず赤ちゃんまで消化不良になってしまう場合があります。まずは五分づきや七分づきなどから慣らすのがおすすめです。あとは、一般的に避けるべきと言われているカフェインや脂もの。たまに食べたくなりますよね。食事を我慢してイライラするより、たまには自分にごほうびをして休憩することもストレスを溜めないためには大切ですよ。

食事って楽しい!離乳食期に大切なこと。

AMOMAスタッフ 宮元:

離乳食もよく聞かれるお悩みのひとつです。私もなかなか食べてくれない、と苦労しました。

石川さん:

この時期を〝栄養のための期間〟と捉えていると、食べてくれない時に『栄養をとらないといけないのに…』と追い詰められますよね。だから離乳食期は〝噛む・食べるを楽しむ期間〟と考えられるといいですね。

食べない時は、本当に食べたくない、噛む力が弱くて嫌、などその子なりの理由があります。食べさせたいママと、まだ食べたくない赤ちゃんに気持ちの差があるだけで、いずれ歯が生えて固いものも食べたくなります。だから『あと3口だけ』など勝手にノルマを課してストレスを溜めるくらいだったら、『じゃあ、また今度ね』と引き下がるのも大事。それに、赤ちゃんはママを見ているので、食べさせようと必死な表情より、リラックスして向き合うほうがずっと良いですよ。心配しすぎず、ゆったり構えて子どものペースを大事にしてあげられたらいいですね。

AMOMAスタッフ 宮元:

子どもに食べることを楽しんでもらうためには、どんな工夫ができるでしょう。

石川さん:

ママに余裕がある日だけでいいと思うのですが、離乳食タイムを家族皆が食べる時間に合わせるのがおすすめです。『ほら、みんなもぐもぐ~ってお口開けているよ。一緒に食べようよ』っていうと興味を示してすんなり口を開けてくれる場合も。家族の団らんの中に赤ちゃんも一緒に入ることで、食べてくれなかったとしてもまずは「食べる空間って楽しいな」と感じてくれたらいいですね。

完全母乳のこだわりが大きなストレスに

AMOMAスタッフ 宮元:

石川さんの授乳期について教えてください。

石川さん:

長男の時は授乳も分からないことだらけで、育児日誌にあった記入例通りに間隔があかないだけで『私って出来ないママなのかも…』と落ち込んでいたのを覚えています。

3人の育児で特に印象に残っているのは、次男が生後10ヶ月の時に食物アレルギーが分かったこと。当時は離乳食も進んでなくて完全母乳で育てていたので、医師の指示で私もアレルギー物質の食材を全部除去し食事を制限することに。授乳のために食べたいものを我慢し、料理を作るのも食べるのも楽しくなくなりストレスが溜まっていきました。

しばらく続けていたある日、先輩ママからの『ストレスを抱えてまで母乳にこだわらなくてもいいんじゃない?』って一言で笑顔が消えている自分に気づかされ、断乳を決意しました。完全母乳のこだわりを外すことで一気に気持ちが楽になって、家族にも優しくなれました。ストレスになっていなければ問題ないのですが、当時の私のように悩んでいるママには『ミルクでも母乳でもちゃんと大きくなるから、気にしなくて大丈夫』と伝えたいですね。

「まあ、いっか」でひと呼吸

AMOMAスタッフ 宮元:

石川さんのご経験から、産前産後のママへメッセージはありますか?

石川さん:

一人目の産後はとにかく一生懸命で手を抜くことが難しかったのですが、二人目以降は完璧を求めるのを止め、人に頼る努力をしました。頼ること自体が苦手な方はまず、『助けて、手伝って』って人に言う練習から始めてもいいと思います。

実際に多くのママとお話しするなかで、手を抜くことはダメなことだと思っている方が多いので『子どもにちゃんと愛情は持っているから、手抜きであっても心は抜いていない。それで笑顔が増えるなら良いことじゃない』とお話しています。あと、私は『まあ、いっか』を口癖にしているんです。つぶやいて完璧を取っ払うとすごく楽になりますよ。頑張りすぎるママにこそ『まあ、いっか』でひと呼吸、おすすめです。

私のオフショット

  • 鉄なべ

    鉄なべ

    鉄なべを使うと無理なく鉄分をとることができておすすめです。

お話を終えて

完璧なママより、笑顔の多いママに。完璧なママより、笑顔の多いママに。

完璧なママより、笑顔の多いママに。

物腰柔らかで明るく前向きな石川さんとお話するうちに自分の中の「完璧にやらねば」という呪縛から解放されました。
「手は抜いても心は抜かずに愛情を持って接すればいい」など家族やお子さんのために日々頑張っているお母さんたちが、少しだけ肩の荷を下ろして笑顔で過ごせるアドバイスが聞けて嬉しかったです。

宮元 永実

AMOMA STAFF宮元 永実

4歳と1歳の二児の母です。
ロマンチストで繊細な長男と、豪快で恐れ知らずな次男のお世話に毎日てんやわんやしながらも楽しく暮らしています。
妊娠中に使っていたAMOMAのマタニティオイルをきっかけにオーガニックケアに目覚めいろんなご縁が重なって2020年11月に入社。
最近では漢方や薬膳にも興味があり、毎日の生活に少しずつ取り入れています。

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