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絵本のある子育てを
楽しもう     

安 真梨子
聞き手:安 真梨子
絵本のある子育てを楽しもう

取材させていただいた

フリーアナウンサー
絵本専門士
近藤 麻智子さん

今回は、絵本のスペシャリスト「絵本専門士」として絵本イベント等で活躍中のフリーアナウンサー近藤麻智子さんに絵本選びのポイントや向き合い方について伺いました。

#プロフィール
絵本のスペシャリスト“絵本専門士”第1期生。情報誌やWEBでの連載をするほか、大人向け/親子向けに絵本イベントを開催するなど、絵本の力を伝える活動を広げている。2児の母。著書に『絵本ヨガ 森のくるるん』(そうえん社)。

まずは表紙が気になるものを

AMOMAスタッフ 安:

近藤さん、子育てに絵本を取り入れたいのですが、書店にはたくさんの種類があるので何を選んでいいか迷ってしまいます。

近藤さん:

そうですよね。特に今は赤ちゃん絵本ブームもあって種類が豊富なので、「子どもにとって良いものを」と正解を探すように肩に力が入ってしまいがちです。悩むと、きりがなく、やみくもには選べない。だからまずは「選ばなきゃ」というプレッシャーは置いておき、ご自身が書店に親しみをもつことからはじめましょう。そして、表紙が気になるものを気軽に手に取ってみてください。

子どもの反応をみながら選んでみよう

AMOMAスタッフ 安:

なるほど!そんな気軽でいいんですね。赤ちゃん絵本を選ぶときのポイントはありますか?

近藤さん:

赤ちゃんならではの〝成長の過程に合わせた本選び〟がポイントです。0歳から1歳までの、大きく3つの成長の段階で対象となる絵本のジャンルが少しずつ広がっていくので、目安としてご紹介します。

①ねんねの時期(1ヶ月~)の、最初の絵本はオノマトペ(擬音語や擬声語)などの「音を楽しむ」絵本。

②視力が発達してきたころ(3、4ヶ月〜)には、赤・黄・緑・青などの色や、赤ちゃんが大好きなまるい形などの形を描いた「色や形を楽しむ」絵本。

③寝返りやお座りができて好奇心が高まるころ(6ヶ月~)には「スキンシップを楽しむ」絵本。

書店で本を選ぶとき、この3段階をおさえて探してみることをおすすめします。

AMOMAスタッフ 安:

そのほかに気にしたほうが良いポイントはありますか?

近藤さん:

あとは目の動きや聞く様子から「子どもの反応をみること」が大切。それはご両親の感覚に自信をもって良いと思います。絵本のレビューなどは参考程度にとどめ、目の前の我が子の反応に絵本選びのヒントがきっとあるはずです。

また、じっくり選びたい派の方は図書館もおすすめ。値段を気にせずたくさん借りて自宅で試せるので、子どもが好きそうで、自分も読んでいて心地よいものをじっくり選べますよ。

AMOMAスタッフ 安:

図書館でお気に入りをじっくり探すのも楽しそうです。

近藤さん:

そうして出あったお気に入りの絵本は、赤ちゃんにとって「自分のもの」で「いつも手に取れる場所にある」ということが大事なので、是非購入して手元に置いてほしいですね。それに、自分のものだと舐めてもかじっても大丈夫(笑)。

また、せっかく買った絵本に反応しなくても「あんまり絵本好きじゃないかも」と諦めずに、繰り返し開いてもらえたらと思います。タイミングが違っただけで、後から興味を示し始めることもよくあります。

「おはなし会」に行くのもおすすめ

AMOMAスタッフ 安:

中には絵本をどう読めばいいかと悩む方も。そのような場合は何から始めたら良いですか?

近藤さん:

今はお出かけが難しいと思いますが、近くの図書館で「おはなし会」をやっていたらぜひ〝子どもを連れて行く〟感覚ではなく〝自分も楽しんでみよう〟という気持ちで足を運んでみてください。すると「絵本を読んでもらうってこんなに心地いいんだ」と実感できると思います。

AMOMAスタッフ 安:

大人になってからは絵本を読んでもらう経験はないですね。

近藤さん:

そうなんです。大人はついつい絵本の文字を目で追いますよね。でも絵本は絵が語ってくれるので、実は言葉がなくてもストーリーが分かるように作られていることが多いのです。だから絵を楽しまないのはもったいない。

子どもがそうするように言葉は耳で聞き、絵をじっくり見る体験をしてみると気づきがたくさんあるはずです。絵本を赤ちゃんに読む前に、まずはひとりでその絵本の隅々までじっくりと味わう時間を持つだけでも随分変わると思いますよ。

小児病棟で感じた「絵本の力」

AMOMAスタッフ 安:

もともとアナウンサーとして活躍していた近藤さんが絵本の仕事を始めたのには、どんなきっかけがあったんでしょう?

近藤さん:

2011年から東京でフリーアナウンサーとして活動することになり、新たに何か興味のあることを、と始めたのが小児病棟での絵本の読み聞かせボランティアでした。もともと絵本好きな母に育てられて幼少期にはいつも絵本が側にあったのに、社会人になって絵本の存在をすっかり忘れていて…そこで再会したんですよね。

AMOMAスタッフ 安:

小児病棟で毎日を過ごす子どもたちにとって、絵本の読み聞かせは特別な時間でしょうね。

近藤さん:

入院中の子どもたちにとって絵本は、病院の日常とは違うところとつながる〝窓〟のような存在なんだと感じました。

ある日、体調が悪くベッドで横になっていた男の子に絵本を読んでいたんです。その本に〝スイカを釣りあげる〟というシーンがあり、読み進めていくうちにだんだん瞳を輝かせていった男の子は、スイカを釣り上げた瞬間、なんとガバっと起き上がったんです。親御さんも病院スタッフの方々もびっくり!その場が笑顔に包まれました。

内容よりも、どんな時間を過ごせたかが大切

AMOMAスタッフ 安:

「ことば覚えに」「発語が早くなる」というような学びにつながる視点で選ぶ方も多いですよね。

近藤さん:

絵本はもちろんそういった学びの要素はあります。でもその前に、絵本は親子のコミュニケーションを楽しむためのもの。『絵本を読む時間って楽しい!』と赤ちゃんが実感できないとその後に繋がっていきません。

AMOMAスタッフ 安:

パパの出番を作るきっかけにもなりそうですね。

近藤さん:

そうなんです。〝パパだからこそ読んでほしい絵本〟はたくさんあるのに、「絵本を読むのはママの役割」と思われている方もまだ多くいらっしゃいますね。一緒に体を動かす絵本や、パパが出てくる絵本、パパの声で読むと響く絵本など…。

お出かけできないときも。絵本の窓で世界を広げて

AMOMAスタッフ 安:

現在、4歳と0歳の男の子2人を育てる近藤さん。ご自身の授乳期に絵本の思い出はありますか?

近藤さん:

いまも3時間おきくらいで授乳していますが、本当に大変ですよね。長男の時は、初めての子育てにいっぱいいっぱい。なかなか絵本を手に取れませんでした。

しばらくしてペースが掴めるようになってから、長い期間赤ちゃん絵本を楽しみました。すると最近、4歳になった長男がそのころ読んでいた絵本を「なつかしい」と笑顔で言ってくれるんです。一緒に楽しんだ絵本の時間が幸せな記憶として残っているんだなと、とてもうれしくて。いま次男と絵本を読んでいる時間も、絵本そのものも、懐かしい宝物になるといいなと願っています。

AMOMAスタッフ 安:

今、授乳期で絵本を取り入れたいママへアドバイスはありますか?

近藤さん:

今はコロナ禍でお出かけも難しく、人との触れ合いが持ちづらい時期。だからこそ絵本を読むことで、お膝に乗せたり一緒に寝転んだり、親子の体と心が触れ合う時間を一層大切にしたいですね。

ただ絵本は素晴らしいものですが、子どもにとっては、大好きなママが楽しんでいてはじめて一緒に楽しめるもの。ママの心をまずは大切に、無理せず、頑張りすぎないでほしいです。たった一冊でも、毎日じゃなくてもいい。心が穏やかなときに絵本という窓を開け、世界を広げながら、親子の絆を育んでいけますように。

私のオフショット

  • 神保町にある絵本カフェ「ブックハウスカフェ」

    神保町にある絵本カフェ「ブックハウスカフェ」

    パパ向けの絵本のイベントなども開催しています。

お話を終えて

まずは表紙が気になるものを気軽にまずは表紙が気になるものを気軽に

まずは表紙が気になるものを気軽に

もともと絵本が好きな私は、近藤さんとお会いできるのをとても楽しみにしていました。近藤さんご自身も今0歳のお子さんを子育て中。「授乳期は本当に大変ですよね。AMOMAのお客様の気持ちがよくわかります」とおっしゃってくださったのが印象的でした。ぜひ皆さんも気軽に絵本を楽しんでいただけたらいいなと思います。

安 真梨子

AMOMA STAFF安 真梨子

AMOMAにはホームページのリニューアルから参加。家では4歳の子供のママです。ちょっとお口が達者な娘に振り回されながらも充実した毎日を過ごしています。

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