これまでの流れと取組み

2010年8月

スリランカの小規模農家とのフェアトレード開始

2010年8月AMOMAのスタート当初から、一部の有機ハーブ(ジンジャーレモングラス)をスリランカの小規模農家の生産者団体SOFAからフェアトレード購入(*)をしています。

事業の成長と共にSOFAからのハーブ購入量も少しずつ増えてきた2011年10月、農家の生活向上にどれだけ貢献できているのかを確かめたくて、私たちはスリランカに行きました。

AMOMAのハーブを生産している一戸一戸の農家を訪ね、安定したハーブの購入を通じて、農家の生活にどれだけ大きな影響を与えられるかを確信できたと同時に、現地の人々の生活を知るにつれ、より多くの人に貢献をしたいという想いはよりいっそう強くなりました。

(*)フェアトレードとは生産者が十分な利益を確保できる適正な価格で継続的に購入する取引のことで、適正価格にプラスして支払われるプレミアム価格は学校建設など地域発展のためのプロジェクトにあてられます。


SOFAについて SOFAソーファは、Small Organic Farmers Associationの略で、農地が1エーカー未満の小規模農家が集まってできたフェアトレード認証生産者団体で、2011年時点で2108戸の農家が参加し、有機栽培に取組んでいます。2010年のフェアトレードによるプレミアムプライスは350万円で、その用途は灌漑施設や学校の建設など、メンバーによる合議制で決められます。

2011年10月

紅茶プランテーションで働くタミル人

そこで、私たちはより貧困の実態を知りたいと、スリランカの貧困解決に取り組んでいるいくつかのNGOに連絡を取りました。
そこで出会ったのが、SEWALANKA(セバランカ)でした。

彼らは、是非プランテーションの実態を見てほしいと、私たちを紅茶農園に連れて行ってくれました。舗装もされていない急なガタガタ道を3~4時間ジープで上った山の上は、見渡す限りの茶園でした。その美しい緑の光景とは裏腹に、そこで働く人々の生活はひどいものでした。茶園のオーナーから与えられたという小さなトタン屋根の家の中に、何人もの家族がぎゅうぎゅうになって暮らしていました。

彼らは、昔インドから奴隷として連れてこられたタミル人といわれる人達で、先祖代々この茶園で働いていると言います。彼らは丸1日働いて250円という賃金。(しかも、月に5日以上休むと賃金はさらに安くされてしまうそうです)わずかな貯金もなく、病気やけがをして働けなくなってしまうと、すぐに貧窮してしまいます。家の前にある小さな畑(彼らはそれをホームガーデンと呼んでいました)で野菜を育てて、食いつないでいるという状況でした。

私たちは、つい江戸時代の「百姓は生かさず殺さず」という言葉を思い出してしまいました。私たちが買う100ティーバッグ入って数百円という安い紅茶の裏側にこんな現実があったとは知りませんでした。

「なぜ、彼らはこんなところは抜けて町に出ていかないのか?」という私たちの素朴な質問に、NGOの担当者アマンダはこう言いました。

「ここにはバスも通っていなし、もし通っていたとしても払うお金もありません。
そして、もし町に行けたとしても彼らはタミル語しか話せません。」

万が一、彼らが茶園を抜け出して町に行ったとしても仕事ができないように、茶園の学校ではタミル語しか教えない(スリランカ国民の7割以上が使っているシンハラ語や第二公用語の英語は教えない)という答えが返ってきました。

彼らは、今後もここで生活していくしかないのだと言います。


この山の奥先に紅茶のプランテーションは広がっています。


プランテーションで働く女性たち。


6~8畳1室のトタン屋根の家に家族全員が暮らしています。


SEWALANKAについて SEWALANKAは、1992年に設立されたスリランカを代表するNGO団体で、スリランカ全土で活動しています。津波や紛争時の緊急支援に尽力する他、マイクロファイナンスや、技術トレーニング、農村のコミュニティ構築支援など通じて貧困解決に取り組んでいます。


SEWALANKAのスタッフたち。一番左がアマンダ。

2012年4月

まずは生活費を下げることから-BORDERLESS SEVAの始まり

私たちが驚いたことはもう一つありました。

それは、茶園に一つ二つある小さな売店で売られているお米や塩・砂糖などの値段があまりにも高いということです。
聞くと、町で仕入れた商品を車で何時間もかけて山の上まで運んでくるので運送コストがとても高い上、周りには競合する売店もないので値段が高く据え置かれるのだそうです。

「でも、皆ここで買う以外選択肢はないのです。」という言葉が、帰国後も私たちの頭から離れませんでした。

僅かな収入しかない上に生活費は著しく高い、というこの現状を何とかできないか?帰国後も私たちとSEWALANKAのプランテーションチームとのやり取りは続きました。

そして、それから半年後の2012年4月。
AMOMAとSEWALANKAは僻地まで届く差別なきサービスというメッセージを込めて、合同会社” BORDERLESS SEVA -ボーダレスセバ- ”を創り、プランテーションの農家のために、生活必需品を安く届けるサービスを始めることにしました。

“BORDERLESS SEVA”の仕組み

プランテーションの農家さん達にどういうものが・どのくらい必要か聞いてみると皆、同じようなものを必要としていることが分かりました。お金がないため1回に買える量は少ないものの、プランテーションで働く何万人という人たちの注文をまとめると、かなりの量になりそうでした。

そこで始めたのが、「共同購買支援サービス」です。
まず、プランテーションの人達には、地域ごとにグループを作ってもらいグループメンバーの注文を取りまとめてもらいます。そして、各グループから集まった注文をBORDERLESS SEVAが、町の食品メーカーにまとめて大量注文することで安く仕入れるという仕組みです。

さらに、BORDERLESS SEVAは利益を求めないソーシャル・ビジネスですのでトラック代などの必要経費だけを上乗せした低価格で、プランテーションのメンバーに商品を届けることができるのです。

このサービスはまだ始まったばかりですが、プランテーション農家の生活にはとても大きなインパクトを与えていて、共同購買に参加したいという人もどんどん増えています。メンバーが増えると注文量が増えるので、より低価格で商品が届けられるという良い循環が続けられるよう、現地メンバーも精一杯頑張っています。


注文した商品を受け取るプランテーションメンバー。とても嬉しそう!

2012年9月

次に目指すのはハーブ栽培で収入UP

BORDERLESS SEVAの共同購入支援サービスで、プランテーションで働く人たちの生活費を抑える目途は立ちました。しかし、やはり安定した生活のためには、生活費を抑えると同時にもっと収入を増やす必要があります。

そこで、私たちは彼女達のホームガーデン(プランテーションから各家庭に与えられた10坪程度の小さな畑で、自分の家で食べる野菜などを栽培しています)に注目しました。彼女たちは、SEWALANKAの支援により有機肥料の作り方を心得ており、自分の畑でとれた有機野菜は、彼女たちの自慢の品です。私たちが訪問した時も、「私の畑も見てくれ」と村のみんなが次々に私たちの手をとり自分のホームガーデンに連れて行くのです。

小さな女の子も「有機肥料はこうやって作るのよ」と自慢げに実演し出したのには、本当に感心しました。工場や車の排気ガスもない山の上の澄んだ空気の中で、農薬を一切使わずに育てられる野菜は一つ一つが大きく、青々として本当に立派でした。

そこで、私たちは彼女達に聞いてみました。
「AMOMAは日本の妊婦さん産後ママに有機ハーブを使ったメディカルハーブティーを販売しています。皆さんご存知のアーユルヴェーダみたいなものですね。
皆さん自慢の畑の一部を使ってAMOMAのハーブを作りませんか?
皆さんが作る無農薬栽培のハーブなら、日本のママ達も喜んでくれると思いますよ」

自分たちの畑で作ったものが外国にまで行くというのが信じられないようで、彼女達は皆、興奮して喜び「絶対良いハーブを作るから」と目を輝かせていました。


有機肥料の作り方を教えてくれた少女


ホームガーデンで遊ぶ弟