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【助産師監修】出産前の避難生活~避難中に気を付けることや備えについて~

Jan 23. 2019
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災害は、できれば誰も経験したくないことです。ですが、災害はいつどこで起こるかわかりません。妊婦さんの場合、妊娠していない人よりも気を付けなければならないことが増えてきます。

この記事では、災害時の避難生活で、妊婦さんが特に注意すべきことについてご紹介します。

出産前、平常時からの備え


地震や豪雨などの自然災害が増えつつある近年、ご自宅に防災グッズを準備されている方も多いと思います。一般的な非常持ち出し品と非常備蓄品は下記のとおりとなります。

【非常持ち出し品】
飲料水、食料品、貴重品、救急用品、ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手、懐中電灯、衣類、下着、毛布・タオル、携帯ラジオ・予備電池、携帯電話の充電器、マッチ・ろうそく(ビニールでくるむ)、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、洗面用具、携帯トイレ、筆記用具
【非常備蓄品】
飲料水、ごはん(アルファ米)、ビスケット、板チョコ、乾パン、缶詰、下着、衣類、携帯トイレ、トイレットペーパー
消防庁「わたしの防災サバイバル手帳」より

防災グッズの準備のほかにも、地震などの災害にそなえて、家具が転倒しないよう固定するなど家の中の安全対策もしておきましょう。

出産前の避難、何を持ち出せばいいの?


誰もが災害に遭う可能性があり、妊婦さんも例外ではありません。妊娠が確認された時点で、「自分は妊婦として災害に遭遇する可能性がある」ことを頭に入れておきましょう。

一般的な災害対策の準備はすでにしていても、妊娠している状態ではさらに別の準備が必要です。

まずは自身が避難しよう

持ち出さないといけないものは色々思いつくかもしれませんが、身重の状態では、他の人のように素早く逃げ出せないことも多いです。

荷物をたくさん持ちだすことよりも、まずは自身の安全を確保することが先決。それが赤ちゃんを守ることにつながります。

最も大切なのは母子手帳

持ち出しが可能であれば、最も重要なものは、母子健康手帳(親子健康手帳)です。

万が一、かかりつけ病院や保健センターが被災しカルテが失われてしまったときは、母子手帳が妊娠経過を記録した唯一の情報源となります。

いざというときに慌てなくて済むよう、母子手帳はいつでも分かりやすい場所に保管しましょう。大切なページは写真を撮ってクラウドなどに保存するのもおすすめです。

お産が近い人は入院グッズも用意しておこう

お産が近づくと、分娩準備品をそろえ、入院セットを準備する方がほとんどかと思います。もし被災してしまったとしても、あらかじめひとまとめにしておけば持ち出しやすくなります。

後から家族にとりに行ってもらうこともできますので、置き場所を共有しておきましょう。入院セットを早めに準備することが、防災対策の一環と言えそうです。

出産前、実際に被災してしまったら

避難するときは

お腹が大きくなってくると足元が見えにくくなり、転倒などの危険があります。身体も動きにくいことがあるので、必ず誰かに先導してもらうなどし、単独行動は避けるようにしましょう。

かかりつけの産院が機能しているか確認しよう

身の安全を確保したら、かかりつけ病院が機能しているかどうかを調べましょう。

もし、出産までに再開が見込めないような場合、あるいは電源が確保できないような場合は、出産できる施設をなるべく早く探す必要があります。

医療従事者に声をかけておけば3次救急病院などを紹介してもらえ対応してくれます。

災害時は電話やインターネットも通じにくく、産院が近くであれば、直接確認しに行くのが早いと思ってしまう場合も多いです。

しかし、二次災害のリスクを考慮すれば、出歩くのは避けたいもの。まずは避難所の医療スタッフに確認を取る方が安全かと思われます。

どうしても必要な際は、妊婦さん自身が出向くのではなく、家族にお願いするようにしましょう。

避難生活での注意点

自分が妊婦だと知らせよう

妊婦さんの場合、一般の方より飲料水や栄養源の確保が重要になります。避難所などで生活することになった場合、まずは自分が妊産婦であることを周囲に伝えましょう。

最低でも、避難所の責任者や医療スタッフには知らせておくと安心です。

注意が必要な症状

避難所での生活の中で、どんな症状に注意すればよいのでしょうか?注意すべき症状は下記のとおりとなります。

【妊娠初期】
つわりにより食事が全く取れない、または頻回に嘔吐を繰り返す
・おなかが痛み、腟からの出血を伴う
【妊娠22週以降】
・胎動が減少する、特に1時間以上胎動がみられない
・規則的にお腹が張る、腹痛を伴う
(1時間に6回以上または10分ごと)
・腟からの出血がある
・破水(腟から水が流れ出る)
・妊娠高血圧症候群を疑う症状がある 
・頭痛がする 
・目の前がチカチカする
(火花、星が散ったように見える)

検査できるようであれば血圧の上昇や尿蛋白の有無をみてもらいましょう。

これらの症状がみられる場合、特に妊娠35週以前であれば、かかりつけの産婦人科診療所などでは対応できません。

MFICU(母体胎児集中治療室)、NICU(新生児集中治療室)などで緊急治療が必要となる可能性が高いので、すぐに申し出るようにしましょう。

山口県医師会「災害時における妊産婦の対応について」より

自身で受診の対応ができない場合は、避難所の責任者や医療スタッフに申し出て、受診の手続きをしてもらいましょう。

出産前の避難生活を知って万が一に備えよう


この記事では、妊婦さんの避難生活について、最低限注意していただきたい事柄をまとめました。妊婦として災害に遭うなんて想像もしたくないことですが、絶対に起こらないとは言い切れません。

家族で日ごろから防災について話し合うとともに、できる準備は万全にしておきましょう。

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ことまま
Mama writer

2017年1月生まれの女の子を育てている新米母です。夫は単身赴任なため、フルタイムで働きながら、ワンオペ育児に奮闘しています。育児疲れは仕事で癒し、仕事の疲れは娘の笑顔で癒しながら、毎日を乗り切っています。

【監修】浅井 貴子あさい たかこ
助産師

新生児訪問指導歴約20年以上のキャリア を持つ助産師。毎月30件、年間400件近 い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児 の育児のアドバイスや母乳育児指導を実施。

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