母乳不足

【助産師監修】母乳とミルクの違いは何?無理をしない母乳育児のコツ

2018.09.12

助産師 浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。オールアバウトでも執筆中。

Yoneco Oda

Mama writer

2010年生まれと2016年生まれの姉妹を育児中のママです。おっとりマイペースな姉と、好奇心旺盛でパワフルな妹。姉妹でも性格の違う二人の様子に、子育ての新鮮さや面白さを感じている今日この頃です。

昨今、母乳育児が推進される傾向がありますが、母乳とミルクでは赤ちゃんに与える影響はどのように違うのでしょうか? また、母乳育児を意識しすぎるあまりストレスを感じているママもいるかもしれません。

今回は、母乳とミルクの違いと母乳育児のコツを紹介します。

母乳とミルクの違い

母乳の特徴

母乳には赤ちゃんが必要とする栄養がたくさん含まれています。代表的な成分は、たんぱく質、脂質、乳糖(ラクトース)、ミネラル・各種ビタミン等です。

母乳は、消化もよく赤ちゃんのお腹の負担にならないので、欲しがるだけ飲ませる事ができます。

出産後の10日以内に出る母乳を「初乳」といいます。初乳が出る期間には個人差があります。

初乳には豊富な栄養と、細菌などから赤ちゃんを守るための免疫成分がたっぷり含まれているので、たとえ少量でも赤ちゃんに飲ませてあげましょう。

ミルクの特徴

母乳の代用品としての、現在のミルクの品質は著しく向上していて、母乳と比べても大差のない育児ができるようになっています。

ミルクは母乳で不足する栄養素を補えるため、栄養面でも母乳との違いはほとんどないといえます。

母乳とミルクのメリットとデメリット

母乳とミルクの双方に、メリットとデメリットがあります。

母乳のメリット

母乳のメリットは、赤ちゃんの免疫力がUPする、ママの体重が落ちやすい、子宮の回復がスムーズ、家計にやさしい、外出時の荷物が少なくて済む、哺乳瓶の洗浄・消毒をする手間がかからないなどになります。

母乳のデメリット

デメリットは、ママが薬やお酒が飲めない、食事内容に気をつかう、乳房のトラブルが起こることがある、赤ちゃんを預ける事が難しい、外出先での授乳に気をつかうなどです。

また、母乳には含まれるビタミンKが少ないので、赤ちゃんがビタミンK欠乏性出血症にかかりやすくなるともいわれています。

ミルクのメリット

ミルクの場合のメリットは、赤ちゃんの飲んだ量がはっきりと分かる、ママ以外でも授乳できる、ママが薬を飲める、ママの食事内容の制限がない、赤ちゃんの腹持ちがいいのでよく眠ってくれるなどになります。

ミルクのデメリット

デメリットは、母乳と比べると赤ちゃんの免疫力が不足する可能性がある、コストが高くつく、ママの子宮の回復がスムーズに行われない、調乳をしたり、哺乳瓶や乳首の洗浄・消毒に手間がかかるなどです。

このように、母乳とミルクの双方にメリット、デメリットはあります。

ママの体の状態や家庭の環境に照らし合わせて、ママと赤ちゃん一人ひとりに合った授乳の形を探していくことが大切なことではないでしょうか。

母乳育児を続けていくコツ

頻回授乳をする


母乳は赤ちゃんが乳首を吸う刺激で作られます。授乳の回数が増えるほど、母乳の生産量は増えていき、低月齢のうちは、1日の授乳回数は8〜15回くらいになります。

夜間は昼間に比べ母乳の分泌を促すホルモンが多く出ますので、生後3ヶ月くらいまでは夜間も3〜4時間ごとに授乳ができれば、母乳の量が安定してきますよ。

しかし、睡眠不足は母乳不足の原因にもなりますので、無理のない程度に夜間授乳・疲れない程度に頻回授乳を心がけましょう。

食事内容に気をつける

授乳期は普段よりも450キロカロリー多く食事を摂取することが勧められています。栄養不足は母乳不足につながりますので、しっかりと栄養のあるものを食べましょう。

また、脂肪分や塩分、糖分の多い食事は母乳を詰まらせやすくします。授乳期は和食を基本として、母乳によい食事を心がけましょう。質の良い母乳を作るために、青菜や根菜類を意識して食べるといいですよ。

サラサラの母乳を作るためにも、1日に2~3リットルを目安に、多めに水分を摂る事を心掛けましょう。

体を冷やさないようにすることも大切ですので、温かいハーブティーやスープ、汁物からも水分を摂って体を温めましょう。体が温まると血のめぐりが良くなり、母乳の出も良くなりますよ。

疲労やストレスをためない

産後は思っている以上に疲れがたまっていますので、休息をとるようにしましょう。疲労やストレスがたまると、体の血流が悪くなり母乳の出にも影響します。

睡眠不足による疲労は、ほんの10分でも仮眠をとることで解消できますよ。家事はほどほどに、赤ちゃんと一緒に横になり、体を休めましょう。

ストレスを軽減・発散するためには、自分なりのリラックスタイムを持つようにするといいですよ。ディフューザー等でアロマを焚いてリラックスするのもお勧めです。

完全母乳にこだわらない

母乳を出すことに一生懸命になりすぎると、思いつめてストレスになってしまいます。赤ちゃんの体重が増えない時や、ママが疲れている時はミルクの力をかりましょう。

ミルクにも母乳にもそれぞれに利点がありますので、完全母乳にこだわりすぎずに、無理なく赤ちゃんもママも笑顔でいられる授乳スタイルを見つけていきましょう。

授乳タイムは、ただ赤ちゃんに栄養を与えるだけではなく、ママと赤ちゃんが心を通わせて、信頼や愛情を深め合う大切な時間です。

ママが愛情を与えていれば赤ちゃんは健やかに育っていきますので、ママが笑顔でいられる育児を過ごしてくださいね。

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助産師/商品開発パートナー
浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
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