ママの心と体

【助産師監修】産後の肥立ちとは?期間と肥立ちを良くする方法

2018.11.13

AMOMA編集部

妊活中~産後の育児期は、かけがえのない喜ばしい時間であるとともに、時には不安や心配の方が多くなることもあります。“AMOMAよみもの”を通して少しでもその不安を解決し、笑顔で過ごすお手伝いができればと願っています。

浅井貴子

助産師

新生児訪問指導歴約20年以上キャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児アドバイスや母乳育児指導を実施。

「産後の肥立ちが良い・悪い」という言葉を聞いたことはありませんか?これは根拠のない言い伝えや迷信などではありません。

出産でダメージを受けたママの身体をいかに早く回復させ、健康な状態へと導くのか。日本人が様々な経験から学び、受け継いできた大切な知恵なのです。

産後の肥立ちとは何か、期間と肥立ちを良くする方法を知り、無理をせず乗り切りましょう。

産後の肥立ちとは

1_産後の肥立ちとは
出産後、ママの身体は妊娠前の正常な身体に戻ろうとします。この状態を「産後の肥立ち」と言い、現在では「産褥期(さんじょくき)」と呼びます。

医学が発達する前の日本では、出産後の母体の栄養状態や生活環境が悪いことが多く、体力が回復せずに床に伏せがちな母親が多かったようです。こうなると「産後の肥立ちが悪い」と呼ばれます。

また、弱った身体で衛生環境が良くない場所で過ごすことにより、産道や子宮腔内の傷から細菌感染し「産褥熱」にかかって死亡するケースも少なくなかったようです。

こうした経緯から日本では産後の肥立ちを重視し、「里帰り」や「床上げ(とこあげ)」という習慣が一般化したのです。

産後の肥立ち、期間はいつまで?

2_産後の肥立ち期間
子宮が元の大きさに戻るまでには、6~8週間ほど必要です。母親の1ヶ月検診で問題がなければ、普通の生活に戻って良いとされています。元の生活に戻ることを「床上げ」と呼びます。

産後の肥立ち、症状は?

この期間に、子宮が収縮する時の痛みである「後陣痛」が起きたり、産道や子宮の傷からの出血や分泌物が混じった「悪露(おろ)」が出てきます。

この悪露が出ている間は傷が治っていない状態ですから、湯船につかるのは避け、シャワーのみで生活します。

ただ最近では、銭湯に行くような生活習慣はないので、産院によっては3週間頃の悪露が少なくなってきた頃から湯船に入ってもよいと指導する場合もあります。出産した病院で確認してくださいね。

また出産時に開いてゆるんでしまった骨盤は、3~4ヶ月かけて元に戻っていきます。

産後に無理をして骨盤がズレたまま固まってしまうと、血液やホルモンの流れが悪くなり体調不調を引き起こしてしまいます。

産後の肥立ちが悪いとどうなるの?

3_産後の肥立ち症状

出産とは、急激に大量の血液を失うということ。妊娠し10ヶ月かけて徐々に増えたものが一気に失われるので、身体はその変化についていけません。

そのため、産後から動き回って無理をすると、めまいがしたり身体が冷えて体調を崩しがちになるのです。

それに寝不足や精神面での疲れが加わると、マタニティブルー産後うつにまで発展してしまう恐れもあります。

目を酷使することも血液をたくさん使いますから、目が疲れやすくなったり視力が落ちたりする場合があります。パソコンやスマホの使用はほどほどに。

またこの時期に無理をしてしまうと、更年期の健康状態にも影響を及ぼすといわれています。産後の肥立ちの過ごし方は女性の一生涯にかかわってくるのです。

産後の肥立ちを良くするためにできること

4_産後の肥立ちを良くする方法

とにかく休息

退院後2~3週間は安静にし、赤ちゃんのお世話以外はなるべく横になって過ごしましょう。昼夜問わず授乳やおむつ替えをするため、ほとんどのママは寝不足になります。

昼間でも赤ちゃんが寝ている間は、隣で一緒に寝て身体を休ませてくださいね。

食事に気を付ける

良質なおっぱいを出すためにも、和食中心のバランスの良いメニューを三食しっかりとることが大事です。特にタンパク質・カルシウム・鉄分は意識してとるようにしましょう。

授乳期間中は知らず知らずのうちに水分不足になるので、意識して水分をとることも忘れずに。 冷たい飲み物ではなく、温かい飲み物で身体を冷やさないようにしましょう。

特にラズベリーリーフティーは、子宮の戻りをサポートしてくれるため、産後の回復の助けになってくれますよ。

頼れるものはなんでも頼る

なかには上のお子さんがいるなど、産後ゆっくりしていられないママもいます。しかし健やかな家族の生活は“ママの元気”があってこそ。

里帰りしたり、パパの掃除や洗い物・料理が多少下手でも、口も手も出さずに「ありがとう」と思いっきり甘えましょう。

周囲のサポートが得られない場合は、宅配で食事をすませてもいいですし、ファミリーサポートセンターや産褥シッター、ヘルパーさんを利用してもよいでしょう。

出費は多くなりますが、健康な身体を取り戻すためなら決して無駄な費用ではありません。

ママの元気は家族のエネルギー

5_ママの元気は

赤ちゃんを出産すると、不要になった胎盤も一緒に出てきますが、こんな大きなものが身体から剥がれ落ちるということは、普通の状態で考えれば“大怪我”です。

お産にかかった時間や大変さに関係なく、大怪我同様のダメージを負っていることを自覚してください。無痛分娩や帝王切開など、どんなお産の形であれ、身体へのダメージは変わりません。

産後の肥立ちを甘く見ず、周りを頼りながら十分に休息しましょう。 子どもがいる生活は、まだスタートしたばかり。家族が元気に毎日を送るためには、ママの元気が必要不可欠。

産後のダメージをしっかり回復させて、我が子のために元気でハツラツとしたママになりましょう。

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浅井貴子
■資格・免許
看護師、助産師、IFAアロマセラピスト、JMHAメディカルハーバリスト、NCA日本コンディショニング協会認定トレーナー
■専門分野
母乳育児、新生児~幼児にかけての育児相談全般、アロマやハーブを使用した産前、産後ケア 代替療法全般
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■資格・免許
日本神経言語心理家族療法協会公認家族心理カウンセラー、NLPファミリーセラピー・マスタープラクティショナー、子どものこころのコーチング協会インストラクタ
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牛丸敬祥
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